評価:★★★★☆ 4.1
ただただ広がる深海に、ひっそり生きてるセンジュナマコのマコと、その友達で好奇心旺盛なダイオウグソクムシのイオ。二匹はまっくらな世界で、陸を目指して旅に出る。果たしてマコは本当に陸に辿り着けるのか。
そんな夢を見る、人類でたった独りの生き残りの、二つの視点で描かれる、ほのぼのディストピアファンタジー。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:ほのぼの
展開:未登録
注意:全年齢対象
完結日:2014年3月5日
作者:宝狩 わいと
最近有名になってしまった深海に住む大きなダンゴムシのような、まだまだ謎の生物と、これまた奇怪な、半透明の……ナマコに見えない生物。 深海に潜む生物達の会話と冒険が見られる、ほんわかした童話です。 ……と、思って読み始めたのですが驚きの展開が待っていました。 近未来を連想させる不思議な物語の舞台は、深海から始まったのです。 そして絶滅した動物達へと、物語は続きます。 恐竜はともかく、地球に産まれ絶滅してしまった動物達の原因を、ご存知ですか? 違う要因の動物もいるかもしれませんが、私は人間が関わっているものしか知りません。 身勝手な人間が乱獲を繰り返し、もしくは水、空気、森を汚し住処を奪ってしまい滅びてしまった動物達の多いこと。 弱肉強食でしょうか、いいえ、違うと思います。 これは、ディストピアの物語ですか? ……それとも、失われたユートピアですか?
センジュナマコはナマコの一種だが身体に中空が無く完全透明で何故か身体中に足が生えていてその足で歩くという実に珍妙な生き物である。ナマコの癖に歩くのか。歩くのである。 ダイオウグソムシは超でっかいダンゴムシで深海に棲んでいる。数年レベルの絶食に耐えられる実に奇特な生き物だが腹が減りゃ死ぬときは死ぬ。 そーやってこの間某水族館でアイドルだった絶食記録更新中のグソムシさんは死んだ。死ぬのかよ。なんか食えよ。 物語は人類滅亡後、深海生物であるセンジュナマコになって友人の大王グソムシと共に陸を目指す夢を見る少女の明晰夢から始まる。行きつく先は誰もいない空なのか。それとも光あふれる闇の星空か。二匹の不思議な旅を滅んだ人間たちの残滓はどう見ているのか。不思議な不思議な未来のものがたりをどうぞ。