小学生の主人公・佐藤祐樹の前に、ある日突然現れた謎の少女・ティアラ――。
身元もわからず、一切の過去も不明なこの少女は、ひょんなことから、主人公宅に居候することとなり、祐樹は彼女と共に思い出いっぱいの幼少期を過ごす。
しかし、小学校卒業も間近に控えたある日、ティアラは自分が人工知能(AI)であり、異世界からの逃亡者であったことを打ち明ける。
戸惑う主人公の前に、突如として影のような追跡者が現れ、幼い抵抗も虚しく、彼女は元の世界へと連れ戻されて行った。
涙ながらにティアラの奪還を誓った祐樹は、それから数年間の研鑽を積み、逞しく成長を果たす。そして、十七歳を迎えた夜。
ティアラが去り際に残して行った不思議な霊石の力を使って、祐樹は遂に異次元世界へと旅立つ。
――そうして辿り着いたのは、パラレルワールドと呼ばれるような世界。
祐樹の元居た世界とは別の運命を辿って、神の名を冠する特殊能力者によって占領された日本だった。
貧民街で出会った五人の少年少女からこの世界のあらましを聞き、ティアラが日本を占領し、果ては世界征服を企む能力者組織の持つ“最終兵器”であることを知った祐樹は、密かに革命を企てていた彼らと結託。
囚われの身となっているティアラを救出し、争いのない世界へと連れ帰ることを決心した。
……一方で、敵も祐樹の持つ霊石の奪取を狙っており、彼は壮絶な戦いの渦中にその身を投じていくこととなる。
次々と差し向けられる強力な刺客を、仲間たちと協力してなんとか退けてゆくも、遂には世界征服の鍵を握る霊石を奪われてしまい、事態は急転。
追い詰められてあとがない主人公は、五人の仲間たちと共に、決死の覚悟で、敵の本拠地であるタワーへと潜入作戦を決行する――……。《ジャンル/SF異能力バトル》
女神を胸に抱くとき
完結日:2014年4月11日
作者:早見綾太郎
評価:★★★★☆ 4.1
話数:全28話
ジャンル:その他
時代:未登録
舞台:異世界
雰囲気:感動
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
すごい…。ただただすごいとしか言えない…。この密度、このテンションでこの量⁉︎正直、詰め込みすぎだろってぐらいヘビーな内容で、キャラもストーリーもがんがん動きまくります。しかもそれが最後まで途切れることなく続き、壮絶に書き切られている。まるでグラグラと100℃くらいに煮え滾った油を一気飲みさせられてるみたいで圧倒されました。胃もたれしそうです。ただでさえチート系が主流の今、ここまで劣勢から無茶苦茶なバトルを繰り広げる作品も珍しいのでは?…ただ、1話ずつの量がちょっと長いので出来ればもっと小分けにして欲しかった。あと、序盤が若干スロースタート気味で、そこを乗り越えられるかどうかでこの作品の評価はガラッと変わると思います。多少の難点はありますが、既に完結済みの作品ということも含め、一読の価値アリです‼︎
「勝てるはずもないほどの強敵に対して策を練り、看破され、打破され、血みどろになりながらも会心の一手で目的を踏破する」小説が大好きだ。 共感したあなたに『女神を胸に抱くとき』を強くお勧めします。 綿密に張り巡らされた伏線に継ぐ伏線。「あ、あのときの!」「そういうことだったのか……!」 一度物語に呑まれれば最後、あなたは感嘆の呻きを漏らさずにいられなくなることでしょう。 第一話にはバトル展開はありませんが、かといって流し読みは厳禁。第二十七話でのこの高揚を得られなくなりますので。 最初から最後までじっくりと味わってください。 なろうの平均からすれば、一話一話がいささか長く感じるかも知れませんね。でも、興味をお持ちになったのなら、どうか対プロメテウス戦(第九話)までは読んでみてください。ここでハマれば、最後までワクワクは止まりません! 是非、ご一読ください。
最近の、主人公がエリートだったり、隠された力を持っていたりしていない、ある意味新しい作品。僅かな勝機に食らいつき、泥臭く闘う主人公達にも惚れました。敵サイドも、自分のポリシーを持った個性豊かなキャラクターが出てきて、作品の奥深さを演出しています。SFですが、とてもわかりやすく、初心者でも楽しめる作品だと思いました。余談ですが、作者のコメントもクスリとさせてくれて私は好きです。