「いいから黙って俺のブラジャーをつけやがれ」

まず題名を見ていただきたい。……気になりませんか？実に。そう、この物語は、まさにブラジャーのお話です。けれど、それだけではなく、主人公とヒロインの純愛、それにそれぞれの過去、魅力的な脇役たちが次々に現れてきて最後まで飽きさせない強力な吸引力があります。少しだけSFチックなオリジナリティ溢れる世界観もその魅力の一つです。もしかしたら、ブラジャーの話だから、とどこか引いてしまいがちになる方もいるかもしれません。けれど、むしろそう思った貴方こそがこの作品に最も感情移入できる方だと思います。まさに私がそうで、しかし読んでいくうちにどんどん引き込まれていきました。最後にはこの作品に出会えて良かったと思ったほどです。既に完結しており、更新を待つストレスが無いこともうれしい作品です。ぜひそこのあなた。まずは第一話、読んでみていただけないでしょうか！

　海堂薫は、１８歳の下着職人。一言で言えば、スポコンマンガに出てくるような、天然記念物レベルの頑固オヤジ。　ヒロインの樹里は２０歳、ワケアリの家出お嬢様。こちらも絶滅危惧種な、筋金入りの大和撫子。　この時代錯誤カップルに、おしゃまな小学生、妹の加乃子と、遅れて登場する仕事の相棒、巻き尺（！？）のサクラを加えて繰り広げられるは、なにやら専門的な下着用語が飛び交う、ちょっぴりＳＦ仕立てのホームコメディ。　主役のアクの強さに辟易することもあるかもしれませんが、そこは、健気な女性陣の頑張りに免じて、ぐっと我慢、読み進めてみてください。　ヒロインと妹と仕事を天秤に掛けられ苦悩する終盤、この頑固男を応援せずにはいられなくなっているはず。　ちょっぴり近未来の古風な純愛物語、果たして大団円なるのか？　その結末、是非みなさんの目で、お確かめください！