評価:★★★★★ 4.5
時は大正、ロマンの時代。帝都に名だたる名門・西王子家の書生である神原は、かつての同級生である梶尾と再会します。
大日本帝国海軍士官となった梶尾は神原にある依頼をします。
「西王子氏が所持する『新興宗教団体・光輝水星教に関する報告書』を盗み出して欲しい」…テーブルトークRPG『クトゥルフと帝国』をモチーフにしたハンドアウトから生まれた物語。
日暮奈津子のFC2ブログ『imagination note』(薬剤師K 名義) 掲載ずみ(重複投稿)です。
話数:全8話
ジャンル:ホラー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:大正
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
酔わせるような恐怖小説。耽美というには良い意味で歪んでいるけれども友情やら親愛の情やらに当てはめようとするとどこか胸がざわめくような、不確定な心情がノイズのように脳の裏表をかき乱す感触が得られます。不思議を感じたい、そのような欲求がある方にお勧めする、お話です。 19世紀あたりの日本的な香り、書生と少年が作り出した乳白色なゆりかご、そこに確かにあった何か大切で切実な停滞、同時に存在する狂気。純粋に欲するものをまっすぐに歪ませる。そのような物語を好む人たちにお勧めしたいお話でもあります。 一瞬の幻視へたどり着く、その場面を描きたいために書かれた言葉の渦、それは淡々と執念を積み重ねるような作者の鮮やかな情念に、心揺さぶられると良いのではないだろうかと思う次第、ゆえに我らが同族にお勧め致したい。