サイコロを渡す、手の微熱。 完結日:2014年6月21日 作者:パン×クロックス 評価:★★★★☆ 4.4暇だけは捨てるほど有る高校生男子の俺、暇仲間の口車に乗せられて高梨理沙に電話で告白する事になった。 「付き合って下さい」 と言う俺に彼女が言ったセリフは 「それは私とセックスしたいってこと?」 だった…… 話数:全3話 ジャンル:恋愛 現実世界恋愛 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 学園 老人 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
「それはわたしとセックスしたいってこと?」衝撃的な出会いでした。この「なろう」で出会った作品の中でも、特に異彩を放つ恋愛物。そう思います。ただ異彩なだけでは当然なく、作中に登場する小物もまた秀逸。高校生ながら麻雀牌。人骨で出来た(だろう)サイコロ。一見すると、とても恋愛のアイテムには思えません。が、しかし。綿密に組まれた物語によって、これらは作品になくてはならない物に変化します。序盤、中盤のしっかりとした下準備から終盤へ繋がる時間軸。簡単に想う気持ちではなく、高校生ならではの真剣勝負。直向きに想いを向けた結果が、時間と共に薄まるあの感覚。社会人になった二人の行く末はどうなったのか。読み終えた時に残るのは、微熱以上の熱量になるのを体感して下さい。
高校生のころの恋って、こんなだったかなあ。当時は必死で周りなんで見えてなくて、このお話みたいには見えてなかったし思えなかったけど。時間が経って高校の頃を思い出してみれば、全然自分とは違うのに。読むと何故か、ふと懐かしく感じるような。作中での『温かみ』について語られ「あの時じゃないとダメだったの」「そこは攻めだろう!」のくだりが印象的でした。その時にしかできないことというのは、あるのだと、後から気付く事が多い中、それができるというのは、なんて素晴らしいのかと。また、6年後の人の死とそこから繋がっていく未来とその思いをみて、素敵だと。恋するってこんなだったかな。切ないような甘いような優しくてあたたかいそんな、気持ちをゆったりと揺さぶられるお話でした。