評価:★★★★☆ 4.4
最近、サバの水煮を誤って飲む人が続出しています。
確かにサバの水煮は現代人に必要なミネラルや、たんぱく質を多分に含んでいます。栄養補給やダイエット、子どもの健やかな成長にもサバの水煮は欠かせません。
だからといって、栄養飲料を飲むようにサバの水煮を飲むのは、いかがなものでしょうか?サバの水煮には、サバの水煮の食べ方があります。
あなたの食卓に飾られて五十年。サバの水煮は、○○の商標ブランドです。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:学園
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
個人的かつ大雑把な分類なのですが、小説には二つの種類があると思います。一つ目は出来事の面白さを伝えるお話。二つ目は人間や世界の美しさや、あり方が書かれたお話。この小説は、なろうでは珍しい後者だと思います。作中で起こった出来事は、端的に書き表せば四行くらいの些細なことです。世界の危機も、戦いもありません。ですが、その中には時に残酷な世界の中で、それでも生きている人間の心が描かれています。生々しい心が。そんな小説であるにも関わらず、一人称の瑞々しい筆致のためか、思わず笑ってしまうような会話劇のため、決して読みづらいということはなく、スッと心に沁みてくるようです。これは仏頂面の少年が少女と出会い、何かを得て、失い、それでも生き続ける大人になるまでの物語。「鯖の水煮は、飲み物ではありません」、味付け無しの素材の味だから、生臭くて、しょっぱい。でも、栄養は、抜群。
この話は、缶詰業界に新風を巻き起こさんとする若者たちの葛藤、苦難に満ちた道程、複雑な人間模様、そして挫折と成功を描いた熱き血潮のドラマであるーーーーと、いうことはなく鯖の缶詰がキーポイントとなる珠玉の短編恋愛小説です。良質のストーリーは、天下の日本放送協会さんにぜひ映像化していただきたいですね。個人的には、サラリーマンNEOのメンバーで演じていただきたいと勝手に考えております。(笑)夢みる大人のための、まるで宝石箱のようなラブストーリーです。
人はいつか死にます。どんなにお金があっても、どんな権力をもっていてもいつか死にます。いつか必ず人は死ぬのです。死ぬ時にそれを見送る残される方と、死ぬ側の残す方どちらが辛いのでしょうか。私は残される方が辛いと思います。残される方はこれからもずっとその死を背負って生きていかなければなりません。でも、生きていかないといけません。辛くて悲しくてぼろぼろでもその死んだ人が大切であればあるほど必死で生きていかないといけません。辛い時、悲しい時、もう生きているのが嫌になった時、この作品を読んでみてください。少しだけ心が軽くなって前にすすめるはずですから。
忙しない毎日に疲れたあなたに読んでほしいのがこの“鯖の水煮”シリーズです。タイトルでネタ小説扱いせず、是非1ページじっくり読んでください。ネタとは言わせない細やかな心理描写、暖かでリズミカルな文、無駄のない背景描写……いつの間にかマグロアッパー様ワールドに引き込まれている筈です。どこか懐かしい、切ない、楽しい、悲しい……2話ですべての感情が押し寄せ、そして最後には涙するでしょう。鯖の水煮は、飲み物じゃない! 鯖の水煮は、飲み物じゃねぇ! どうぞ二作品ともあわせてお読みください。“あなたはきっと小林天音に恋をする”
今回レビューさせていただくのはこちら!マグロアッパーさんの『鯖の水煮シリーズ』です。突然ですが、僕は小説が好きです。きっと『なろう』及び『読もう』にいる方々はみなそうだと思います。小説は色々なものを僕たちに届けてくれます。この作品が届けてくれたのは愛と――人を想う心と――鯖の水煮飲んでみたい――でした。短編『鯖の水煮は、飲み物じゃない!』シリーズ1『鯖の水煮は、飲み物じゃねぇ!』シリーズ2から続く、シリーズ最新作。 『鯖の水煮は、飲み物ではありません。』是非読んでみてください。この作品はあなたにも必ず、素晴らしい何かを届けてくれはずです――
我々はみな、大海に憧れる井の中の蛙である。井中にあるを知るが故に、海を求め、少しずつ世界を拡げてゆく。ついに辿り着いた海が、実はちっぽけな溜め池だった、などという事を繰り返して成長し、その新たな力をもって次のステージに挑むのだ。その意味で、人生とは終わりのない冒険である。しかしいかに知識と経験を積もうとも、それだけではこの冒険をなし遂げるには足らない。もう一つ、成長しなければならないものがあるのだ。本作を含む「鯖の水煮」シリーズには、小林天音というヒロインが登場する。男たちは彼女の心に触れ、やがて劇的な成長をとげる。そう、成長したのは「心」。たとえ暗闇に閉ざされても、濁流に呑み込まれても、目も眩む海原に圧倒されても、時には涙にくれようとも。それでも泳ぎ続ける力を、すべを、彼女は教えてくれたのだ。男たちは進む。それは、あの日の笑顔があったから。
進学によって一度は道がバラバラになっても、いずれこの人と一緒になると確信を持たせるような特別な人。そんな人をある日突然失ったら、人は、その事実を受け入れることが出来るのでしょうか。この作品には、辛い時、世界の全てを拒絶したくなった時でも、前に進めるかもしれないと思わせてくれるような、激しい心の動きが描かれています。愛する人、案じてくれる人、そして愛してくれる人。様々な形での人との繋がりについて、深く感じさせられました。シリーズ3作目。3作全てに心動かされましたが、今迄の『小林天音』という人物の積み重ねもあったからか、本作に最も強く心揺さぶられました。好きすぎて暑苦しいレビューになってしまいましたが^^; 全作を通して読みやすく、温かな読後感のある、大好きなシリーズです。多くの人に一作目から読んで、小林天音と、彼女に魅せられた人々、ついでに鯖の水煮缶も好きになって欲しいです^^
ちょっとそこの貴方、足を止めて下さい。タイトルこそふざけていますが、この作品はマグロアッパーさんの渾身の作品です。 細かな心理描写――心に染みる地の文――そして、気が付くと感情移入して溢れ出る涙……。 現代人が忘れていた優しさや、思いやりが満ち溢れています。 皆さんもこの作品を読んで、心の洗濯をしてみませんか?