俺の脳内辞書に出来の悪い子ほど可愛いという言葉はない（verアザとー）

　オオカミのヤスケが、ヒヨコのヤチビを育てるという変わった親子の物語。それもただ優しいだけじゃない。ねじ曲がった愛情の伝え方をする親と、一筋縄では言うことを聞かない子どもとが織りなす、すれ違いありのドラマには目が離せません。　そして訪れる独り立ちの時には、“父親”という存在がくっきりと浮かび上がります。タイトルに込められた真意を知ったとき、感動が押し寄せてくる！　そんな逸作です。ぜひお試しあれ。

一言で表現するなら、「可愛くて優しい気持ちになれるお話」です。登場するキャラクターの仕草が、とても可愛らしいのです。ただ、読者自身の立場によって登場するキャラクターの誰に感情移入するかが、違ってくるかもしれません。たとえば、わたしは独身で子供がいないので「子」の立場で楽しみましたが、きっと親になってからもう一度読むと、読み取るもの・感じるものが違うのだろうなと思います。このお話は、作者さんが主催している「同一タイトルイベント」の一つだそうです。こういう試みも面白いなぁと思いました。