静まりかえった日々の中で 完結日:2014年7月20日 作者:齊藤さや 評価:★★★☆☆ 3.4ある日突然起こった世界の変貌に、人々の生活はどう変わっていくのか。25歳、平凡なOLの茅枦篠樺から見た、変わってしまった世界とは? (執筆当時の近未来ということで2017年と設定いたしましたが、思ったほど技術は普及しませんでした) 話数:全20話 ジャンル:純文学 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:近未来 舞台:未登録 雰囲気:シリアス 展開:未登録 その他要素 天災 日常 耳 聾 音 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
もし、身の回りから音が消えたら? この物語の骨子であり、問いかけでもある命題は、最初から最後までついて回る。 声が聞こえない。音が響かない。テレビは無音で映像しか流さない。車のブレーキ音も無いから、運転も難しい。 戸惑い、恐れ、混乱し、世界は沈黙に包まれる。けれども、その中でも人々は生きている。試行錯誤しながら、もどかしくその手を動かし、メッセージボードやメールを駆使して。 家族と、友人と、恋人と会話が出来ない切なさが、ひしひしと静かな文章から伝わる。何でもいい、誰でもいいから、話してくださいと叫びたくなる。 タイトル通り静かに読みたくなるこの物語はどこか怖くて、けれども伝えたい言葉で一杯で……読めばきっとあなたの世界に響くだろう。音の持つ価値の美しさが。