だから僕はあの夜汗みどろでラムネを飲んだんだ 完結日:2014年8月16日 作者:和泉ユタカ 評価:★★★★☆ 4.3田舎で過ごしたあの夏、僕が出会った不思議な少年の話。 話数:全2話 ジャンル:ヒューマンドラマ 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 少年 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 夏休み 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
夏の暑い日、裕也とヒコは澄んだ水音のする川で出会う。 キーワードは《音》 清らかで、無垢で、残酷なまでに優しく寂しい《青》を思わせる物語。 昔、自分も確かに経験した夏の日の暑さと感情の温度を、鮮明に思い出す事になるだろう。 泣きたいほど戻りたいと、得たいと願った何かを、己の中に再び見付ける事になる。 眠った感受性は起き出し、見るものを鮮やかに変えるだろう。 文章は情景として動き、少年等の夏の感情に引き摺られ磨かれる。 情景が息づき、鮮烈な感情に瞠目する。 泣きたくて、仕方無くなる。 そんな物語だから、薦めるよ。 君の心に眠る幼い自分を、もう一度起こしてみるといい。 目に写る世界が、きっと変わる筈だから。
僕とヒコの物語。導入部の和歌にいきなり持ってかれます。そんな一文から始まる美しい日本語で綴られるちょっと切ない男の子の友情物語。都会から来た僕はヒコと出会い、自然を謳歌する。都会っ子ならではの描写もあり、実に細かく書かれてるなぁと感心しかないです。流れる様な話の中、ヒコもまた変化します。と、全部描きたいのですが、ネタバレが……とにかく、最後まで読んで欲しい。奇抜なアイデアや手法を用いなくても、これだけの物が書ける。後半部は涙無しには読めませんでした。蝉のなく季節が待ち遠しい。