評価:★★★★☆ 4.3
フリーターの鳶羽トビラは、バイト先でもらった都市伝説級のVRゲーム機の事故により、記憶の一部を欠落して異世界に墜ちてしまう。そこはカード型魔法練成端末〝MAC〟が支配する魔法世界だった。 右も左も上も下もわからないなか出会ったのは、利用されるために騙された王女フィア。彼女を捕え国のために生を捨てようとする領主、盗賊としての生き方を曲げない男、犯されかけてもひととしてのプライドを捨てないフィア……いままで流されるがまま生きてきたトビラは、彼らに感化されひとつの魔法を手に入れる。それは〝縦軸座標を支配する転移魔法〟だった。せっかくの魔法世界なのに『没落貴族』という他の魔法が使えない属性に身をおとしたトビラは、天才少年に弟子入りし、自分だけの転移魔法を駆使して日々を奮闘していく――
(狐々原朱逆様よりイラストを複数描いていただいております。タイトルに★がついているのが人物絵、☆がついているのがその他絵の挿入回になります)
登場人物一覧・イラスト集を更新しました(4/5現在)
話数:全77話
ジャンル:異世界ファンタジー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
“オチるセカイのファンタジア。表題のごとく、主人公・トビラに扱える魔法は『縦軸座標の支配』のみ。真上もしくは真下への、連続性を問わない転移。対象は非生物に限られる。チートには程遠い最弱属性『没落貴族』でありながら、たったひとつのMACを手にのし上がっていく少年の活躍――。限定された条件のもとで、創意工夫により勝機をつかむ戦闘描写も、この作品の持ち味のひとつだろう。だが、それ以上に私を感嘆させたのは、個性豊かなキャラクターが織りなす青春群像や、いい意味で熱く青臭い主人公。そうした瑞々しい十代の感性はそのままに、――””世界観が完成されている””ことだ。ぜひ一度目を通し、この安定感を味わってほしい。大人の余裕と、少年の心が紡ぐ、絶妙な調和を感じてほしい。軽妙な筆致に誘われて、あなたもきっと引き込まれる。第二幕を迎え、さらに様相を変えた展開から、目が離せない。”