乱世を往く! 完結日:2014年8月10日 作者:新月 乙夜 評価:★★★★☆ 4.2いつの時代も世間の評価を受けるのは華々しく活躍する魔導士たちだ。しかしその一方で魔導士以上に保護され厚遇され、そして管理されたのが魔道具を作る側である魔道具職人であった。 これはとある二つ名をもつ流浪の魔道具職人と、彼に関わる者たちのお話。 (4/13、Arcadiaにも投稿しました) 話数:全187話 ジャンル:エピック・ファンタジー ファンタジー 異世界ファンタジー 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:異世界 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 シリア…ス 乱世 群像劇 魔導 魔道具 魔道具職人 注意:R15 なろうで小説を読む
大層陳腐な言いようではあるが、レビュータイトルの通りなのである。まぁもちろん各人の細かい好き嫌いにそぐうか否かはともかくも、読者の分母が増えれば順当に評価も増えそうな良作であり、なにがどうのってとっくにしっかり完結しているため尚安心しておすすめできようというもの。主人公は魔道具職人。本人は戦わず戦うものに魔道具を与える側であり、選ばれし者ではなく選びし者な主人公はなんというかそこかしこでピタ○ラなスイッチを押し、動乱の遠因を生み出す存在である。退屈を嫌う運命の女神さまなんてのがいるなら、きっと彼に、いや「アバサ・ロット」に投げキッスでも贈ることであろう。そして生まれゆく乱世を彼らは往く。なにはともあれ群像劇ものお好きな方は、どうぞ試しに是非是非。
どこかで読んだ設定、少ない登場人物と狭い行動範囲の作品が多い中、この作品はオリジナリティに溢れ、文章量も圧倒的で、それでも最後までダレることなく書ききっている大変素晴らしいものです。 童話の魔法使いか道化師のような主人公の物語から全員が主人公の戦記ものに移っていき、最後には壮大な展開が待っています。よくもまあ、これだけの人数の登場人物の物語を書ききったものです。 魅力的なキャラクターばかりですが、中でも私は2名のオヤジ系キャラが気に入っています。2人ともマジ格好いいです。 重厚長大な作品を読みたい方には是非お勧めします。何よりもこの作品は、『ちゃんと』完結しています(これ重要)。
異世界の架空歴史小説です。二つの新興国と、古くからの伝統・歴史を持つ宗教組織の興亡が、この小説の大きな流れになります。主人公、とされているキャラは一人ですが、大きな流れを作るキャラが何人かいて、そのキャラを中心とした視点で描かれていくことが多いです。主人公格のキャラは若干チート性能を持っていますが、何でもできる、というわけではありません。主人公格のキャラが、自分の専門分野で、そして、その日常で、歴史にどう関わっていくのかを描いています。魔道具、転生物ではないファンタジー、異世界歴史物、このどれかに、ピンと来た方にお勧めする小説です。
武器、兵器。そうした物に技術は、いつの世も望まぬ形で振るわれる。いつしか血に塗れて、それらは生命を屠る芸術となりゆくのが運命(さだめ)なのか。この物語は、魔道具に焦点を当てている。魔道士ではなく、それを創作する魔道具職人に注目してほしい。ただ、その主人公の登場回数が少なめに思われるが……少しずつ存在感が際立ってくる。戦争が起きる道理なんてものは、ほとんどが大したものではない。そんな軽薄な私利私欲にて、まき散らされる死。邪な思いに利用され、巻き込まれ、失われていく生命。それを許すことはできない。ましてや、許されるものではない。道具も人間も、正しき道の下にあればこそ、光り輝くものだと信じていたい。しかし、正しさがあるからこそ、誤りもそこにあるのだと認識せねばならない。