評価:★★★★☆ 4.4
僕の中に生き続けた祈りは、絶えない水の様に流れ、曲がりくねったり、僅かな窪みに染み入ったりしながら――その時、確かな言葉となった。
そんな日常もまた、数限りない吐息と共に、流れていく。
いい事も、悪い事も。全てを包んで流れていく。明日は何もない、何もない水曜。
君と僕の、何もない水曜。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:現代
舞台:未登録
雰囲気:シリアス
展開:未登録
注意:全年齢対象
完結日:2014年8月10日
作者:マグロアッパー
“何もない日の前日”私はこの日が大嫌いだ。明日が何もないと分かっていると妙な焦燥感に襲われるからだ。そんな私が“何もない日の前日”が舞台の作品を読んでいる。……それは、単純に私が作者であるマグロアッパー先生のファンだからだ。さて、先生の作品は数多くの魅力あるヒロインが登場する。鯖の水煮シリーズの小林天音、白玉が何ぞと人に問ひしときの吉良鼎……そして、今作のヒロイン吉崎利理子。彼女たちは物語を優しくそして鮮やかに彩ってくれる。今作の心理描写は見事なもので二人の心境が絡み合って、ほろ苦くそして甘い作品になっている。もし、このレビューが誰か……そうあなたに見てもらえて時間があるのならば是非この本を開いてほしい。ほんの少し、少しだけ。次の“何もない日の前日”が楽しみになるはずだから。