評価:★★★★☆ 4.1
「ヤドカリってさぁ、気に入った宿があると、他のヤドカリを追い出してでも手に入れるんだって」
僕は少し怖い話を始める。
みんなが知らない彼女の表情、ちょっと怖がる彼女の表情を見たかった。ただそれだけだった。しかし、僕は気づいていなかった。彼女の明るさに隠された深い深い闇に。
僕は触れてはいけない扉に手をかけてしまった。ーーーーーーーーーーーーー
この物語はとある事件をもとに、作者が創作したフィクションです。実在の人物、団体等とは全く関係ありません。
また、かなりの鬱展開となりますので苦手な方はご退出下さい。
話数:全3話
ジャンル:ホラー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
読み終わった読者に「内容を咀嚼するのに時間が要ります」と言わせるほど深いテーマを扱ったこの作品。実在の重大事件をモチーフにした背景と、さなかの人間たちが見せた深い業は、『創作物』としての一線を越えて、読み手に大きな恐怖を迫ります。少女にとって何の不満もなかった幸せな家庭。慈しんでいた家族と住み良い家と小さな親友。『他人の生活に土足で踏み込むヤドカリたち』によってその環境が一変したとき、あなたなら抗うことができるでしょうか。少女のように『自分を守るためにヤドカリたちにさらに寄生してしまう生き方』を選ばないと言い切れるでしょうか。自分が助かりたいがために ヤドカリたちの命じるまま大事な人に殺意を向ける生き方を選ばないと言い切れるでしょうか?