評価:★★★★☆ 4.2
コミュ障ゆえの人間嫌い、自己中、だらしがない、不器用、天然ボケ、やる気なし、いい加減
ちょっと可愛いらしい顔と、ちょっと記憶力が良い頭(応用はきかない)、心臓に剛毛がはえているだろう図太さしか取り柄がない欠点まみれの女が異世界トリップして獣になりました。
とりあえず、死にたくないです。
出来れば楽に生きたいです。
※獣化は1章終わりから。それまでは駄目女ライフです。
※山月記の著作権保護期間は1992年12月末日に終了しています。2016年8/2から一迅社様アイリスNEOにて書籍販売開始します
話数:全136話
ジャンル:異世界恋愛
時代:未登録
舞台:異世界
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
人より強い劣等感と自尊心を持った主人公が、異世界トリップして、獣になる物語。 いい子ちゃんな主人公が多い中、彼女には欠点が多いです。 どうすれば楽にすごせるか。 自分が大切にされるか。 努力はせずに諦め、努力のできる他人の強さを羨んだり、妬んだりする。 そんな、とても人間らしい主人公です。 楽に逃げたいことや、負の感情は誰だってあると思うんですよね。 認めることが難しかったり、よしとしないだけで。 そんな彼女が獣になってしまい、正反対のようで似た劣等感と自尊心を持つ皇子と出会うところから、物語が動き出します。 似ているからこそ、相手のことがよく見える。 自分のことで手一杯だった彼らが、ほんの少し理解したい、側にいたい、助け合いたいと思ったとき――生まれる何か。 彼らと同じコンプレックスを持つ人が読んだのなら、きっと得られるものがあると思います。
この作品には、既にaksysさんが秀逸なレビューを書かれています。それを読めば充分とも思いますが、私はあえて掴みの部分を書かせていただきます。主人公はコミュ障なダメ女。水と安全はタダ……な世界から突然のトリップ。着いた先はジャングル……緑に覆われた、現代人には地獄にも等しい環境の中、彼女は初めて「生きたい!」と強く願います……このあたりの心理描写は素晴らしいですね。そして美老人(?)に拾われるものの、あれやこれやで……この先は是非、自分の目でお確かめください。
駅のホームで死んだはずの葉菜(24歳、社会不適合者)は気付けばボッチで異世界に飛ばされた。サバイバル生活を何とかしつつ、『処女だけど場合によっては売春か……』とどこか割り切って強かな思考回路、ただし要領が悪い不器用女だが運良く美老人に拾われ妻を目指す。が叶わず紆余曲折、美青年な権力者に囲われる事に。それも『魔獣として』。主に蹴られ、罵られつつも次第に駄目っぷりをちゃんと取り戻す葉菜。ある意味ぶれない。そして駄目な自分から変わりたい!そう何度目かの決意をし、奮闘し、恐らくはまた駄目でもえーわーと諦めるであろう愛すべき駄目女改めデブ猫の異世界後宮ニート録、開催!※心理描写がしっかりなされているのでご都合主義逆ハーレム物を期待してはいけません。山月記知らずとも説明が入るのでご安心を。むしろ知らなければ教養のため本作品を読むの推奨です。