評価:★★★★☆ 4.2
五色の神と四大国によって繁栄するパルセルト大陸。数年ぶりの魔物の侵攻が噂される最中、冒険者を養成するルベリア学園で仲間を探す少年少女は風変わりな男に出会う。サムライを名乗る男は英雄たりえる力を持ちながら、魔力を失い落ちぶれたという。数奇な出会いは風を呼び、ここに大陸を揺るがす戦いの宿命が始まる。
※本編完結しました。シリーズに外伝を載せています(完結済)。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:異世界
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
”だから、この剣に斬れないものはない――もう、それしか残っていないのだから”英雄に届く強さを得ながらも、力を失ったサムライ:カイ・イズルハ。任務で踏み入れた冒険者の学園で、男は少年少女と邂逅する。それが諦観に沈んだ彼を変える、灯となることを知らずに――。壮烈なる魔物との戦乱のなかで、カイの運命は静かに廻る。忌まわしき過去と、血の因縁。己の宿命と、氷に閉ざされた少女。無数の闘争のなかで仲間と、かけがえのない女を得た男は、少しずつ変わっていく。斬ることしかできなかった羅刹は、誰かを抱く意味を見出していく。やがて誰もが認める英雄へと駆け上がったカイたちは、世界の裏で蠢く闇に挑むことになる。サムライは若き俊英とともに、本当の敵へと立ち向かっていくのだ――。剛筆で綴られるは、凄烈なるファンタジー戦記。赫奕たる刃金のサーガ。そして、家族の物語。是非、ご一読を。
事あるごとに読み返してしまうほど、なろう作品の中ではトップクラスでお気に入りです。 主人公を筆頭に優秀な冒険者でありながらも心に傷を抱えたメンバーが、戦闘や日常生活を通して徐々に信頼し合い、絆を深めていく様がいいですね。 主要キャラが問題と葛藤に向き合う姿、サブキャラでもそれに至る背景などを丁寧に描かれていて、登場人物の一人一人が生き生きとしているように思います。 戦闘シーンでは各クラスと加護・スキル・キャラ毎の必殺技の長所短所をはっきりと描写しているため、単体でもギルド単位でもワクワクさせれられました。 ストーリーも全体を見据えてしっかりと作りこまれているので、安心感があります。また、各章ごとにテーマとクライマックスが用意されていて、これだけの長編でありながら途中だれたところを感じません。 冒険やファンタジー好きの方はぜひ、ご一読あれ!
パルセルト大陸は魔物侵攻に悩まされていた。ある者は斬ることだけ考え、ある者は全ての想いを受け止めきれず一人孤立する。その二人を受け入れたのは、全て者達の盾とならんとした一人の男だった。自分の考えが青臭いのは分かっている、それでも彼は自分の行き方が変えられない。彼らの結びつきが世界を大きく動かしていきます。でもこの世界で生きているのは彼らだけではない。村人が、冒険者が、領主が。主人公なれない人達にも生活があり様々な問題と葛藤を抱えながら、彼らも必死に生きています。それは時に薄汚く、時に優しい。世界の全てが生きているのです。深みのある世界観とキャラクター。そして、それらを表現している読みやすい文章。まだ読んだ事のない方は、是非読んでみる事をお薦めします。ハマること間違いなしです。
最近、私は「なろう」でファンタジーについてあれこれ探し求め、いまいちグッと来るような作品はなかった。が、これを見つけ、実際に読んでみるとこれは良いと感じた。 ファンタジーの要素として神という存在を忘れず、またクラスと呼ばれる職業やレベル、それに似合った称号。また、戦闘シーンや魔法の使い方、世界観。どれも私が良いと思えるようなレベル。このようなファンタジーを見つけることはなかなかない。私はこれを見つけることができたため、最後まで読み進みたい。
個性的なキャラクター・重厚な戦闘描写・よく練られたストーリー・作りこまれた世界観、これらが渾然となってクオリティの高い作品を作り上げています。メインキャラの4人は皆それぞれに心に傷を抱えています。だからこそ強いだけではない魅力を放つキャラクターとして確立しています。剣と魔法の戦闘がメインの作品ですが、戦闘描写が秀逸です。一撃一撃に命が宿るような戦闘が繰り広げられ、主人公の修練の限界を超えた生き方そのものが描き出されます。さりげない伏線があちこちに散りばめられ、先の展開への期待を掻き立てます。そして期待を裏切らないストーリーが進み、メインキャラの精神的な成長が丁寧に表現されます。小説を書くとは一つの世界を生み出すことだと言えるでしょう。細部まで組み立てられた世界が広がっていることを感じさせる言葉がさりげなく配置されています。興味を持たれた方は是非読んでみて下さい。