評価:★★★★☆ 4
「オレは……ミラに会う」
大陸暦450年、14歳の少年テオは、剣を手に旅立った。それが全ての始まり。魔導騎士の少年ディオスとの出会いが、テオの運命と正体、そして真実を終末に導くとも知らずに。剣と魔法と殺人兵器のダークファンタジー、ここに開幕。
――生まれる前から、一緒に居たんだから……。
※【2017/11/17】23章 亡国の王子テオ(2)◆印部分まで加筆修正しました。
※【2018/1/8~】文章を再加筆中です。
時代:未登録
舞台:西洋
注意:残酷な描写あり
剣、魔法、ドラゴン、人外……。「なろう」のファンタジーには頻出するワードであるが、この小説には他の「なろう」のファンタジーとは違うものがあると思う。まずは、キャラの造形・描写が他の小説と比べて大きく異なる。まるでわが子のように愛していなければできないキャラの心情描写や、詳細な造形や表情豊かな動きが、この小説にはあると思う。作者がキャラを本当に好きであるからこそできた描写であると思う。ストーリーも、「なろう」で流行りのものとは大きく異なる。コミカルな描写もあるが、その後は只管にシリアスでダークで血生臭い。そして、切ない。相当に練りこまれたストーリーであることが窺える。「なろう」で埋もれるには勿体ない、最高のファンタジー小説であると、自分は思う。