評価:★★★★☆ 4.1
黒井竜也はちょっと中二病気味な、ごく普通の高校生。だがある日突然異世界に転移してしまう。言葉も通じず何の力もない竜也はその世界で奴隷にさせられる。それでも何とか逃げ出したその先で、竜也は「悪魔」と呼ばれる一人の少女・ラズワルドと巡り会う。
少女の世話になり、言葉を覚え、知識を蓄え、生活の糧を得、上京し、人脈を広げ。竜也はその世界での居場所を少しずつ作っていく。だが、恐るべき狂信者の侵略の魔手が竜也達の住む大陸へと伸ばされようとしていた。敵は兵数百万を号する大軍勢。大豪商の令嬢カフラ、剣士サフィールといった仲間とともに、竜也は百万の侵略軍に対抗すべく立ち上がる--。
本作は「Arcadia」に2010年から2011年にかけて投稿し完結した同名小説の全面改訂版・リメイク版です。
話数:全65話
ジャンル:ヒロイック・ファンタジー 異世界ファンタジー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:成り上がり
この物語には他の方が書かれているようにチートはスパイス程度にしかありませんその分濃密な物語があります知らず知らずのうちにストーリーに取り込まれ地図やウィキを参照しながら読んでしまいました王道の燃えるストーリーがここにあります侵略者が狂信者であることは世の常ですよね十字軍やジハードはこんな感じなのかも知れません
異世界ものであるがかなり現実的な戦記もの。いわゆる「魔法技術体系」みたいなものは無い。そこら辺が心地よい。戦略、戦術が突飛にならない。インフレしない。言語が通じないから始まり、主人公が不自然に高度な技術の記憶や超能力を有している、なんてことも無い。そこからどう成り上がるのかワクワクさせられる。幕間が長いと思ったら読み飛ばして構わない。視点がずっと戻ってこないので辛い面がある。個人的にはハーレム描写が過剰だと思ったが需要もあるのだろうか。参謀役の格好良さにしびれた。異世界を堪能させてくれてありがとうと言いたい。
派手な魔法もなく、神様や魔獣や亜人のいないタイプの地味な異世界。言葉も通じない異世界で奴隷に落ちた少年は、異能力開眼を必死に願うがそれは叶わない。『黒き竜の血』など単なる厨二妄想であり現実逃避なのだから。しかし読者はすぐに知ることになるだろう。その機知と知識と至誠によって、少年は貴賤もなく老若もなく友を得ていく。信頼できる仲間を得ていく。自らの居場所を得ていく。その居場所を脅かす百万人の侵略者に、少年は立ち向かって行く。軍人たち、商人たち、ふしぎ部族たちと共に死闘激戦を戦いぬき……。そうして自らの実力によって『黒き竜の血』を「真実」となしたとき、少年は大帝国を興し皇帝となるのだ。この小説を繰り返し20周している私が断言する。この小説の面白さは本物だ!