評価:★★★★☆ 4
『お顔をお見せすることは出来ません。どなたにも。例え、その方が私の夫となる方でも――・・・・・・』
美しいその娘の一言が、全ての始まりだった。王位第一継承権を持つイシュトシュタイン王女・リリアンヌ。絶世の美女と噂され縁談も後を絶たないが、彼女は誰にもその姿を見せたことがなかった。『顔なし姫』と呼ばれるようになった彼女の『最後の縁談』を受けることとなったリガルド国騎士副団長・オーウェンは、視察を兼ねてイシュトシュタイン国を訪れる。しかしそこには、王女を渦中に様々な思惑が潜んでいて――。
「貴女はそれで・・・・・・幸せになれますか」
「少なくとも、誰も不幸にならない道ですわ」
孤高の王女と若き騎士の出会いが、互いの運命をも変えていく。
時代:未登録
舞台:西洋
雰囲気:シリアス
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
その出会いはただの茶番、仕組まれた縁談のはずだったのに…… 気がつけば本気で好きになっていた。そんな二人のお話。 側妃の子供の為、王女にもかかわらず押しの弱い性格の少女が独り。閉ざされた部屋の中、限られた従者だけを従えて。その美しい蒼の瞳に湛えているのは、年齢にそぐわない哀しみと諦め。バルコニーに歩み出ては気まぐれに歌を唄う。それはまるで籠の中の鳥が囀ずるかのように。 無頼の者として剣を握る青年が独り。夜会よりも訓練を、貴婦人の手よりも剣を、甘い愛より鋼ひしめく戦場を望む男は国家間の陰謀を突き止めるため、仕組まれた縁談に望むことに。スノードロップの冷たさを心に秘めたまま、彼は馬上の人となる。 愛なんて諦めていた彼女。 愛なんて欲しくも無かった彼。 そんな彼女と彼は衝立越しに声を交わし、心の距離を縮めていく――この素敵な物語に触れてみませんか。