評価:★★★★☆ 4.1
ルキウスは、本来ならば歴史に名を残すことない侯爵家の三男に過ぎなかった。しかし、国王ルートヴィッヒによって父と兄を殺されたことによって彼の運命は大きく変化する。ルキウスは、隣国の王女や商人の力を借りて王への反逆を開始する。復讐の果てに逆臣と呼ばれる彼の戦いを綴る魔法もチートも転生もない、ないないづくしの戦記物。
話数:全22話
ジャンル:エピック・ファンタジー 異世界ファンタジー
時代:中世
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
私はあまり語彙や表現に自信がありませんので、良いレビューとはならないかもしれません。ですが、読了した今、胸に湧き上がるこの思いを書かずにはいられませんので未熟ながら書かせていただきます。この作品は過度に描写がありません。描写とは読者が想像するための取っ掛かりであるわけですが、それが少ないこの作品は決して物足りないなんてことがありません。一つ一つの文字に読者に働きかけるものがあり、むしろ余計なものが削がれたそれはより際立っています。読み進めるうちに、私は伝わってくる情動に胸が熱くなり、思わず涙しました。この作品はまさに一読の価値がある作品でしょう。是非お読みくださいませ。
侯爵家の三男に過ぎなかった平凡な男、ルキウスしかし、国王に家族を殺されたことによって彼の運命は大きく変化する多くの人から支えられ今、臣下の叛逆の狼煙が上がる小説だと1巻程度の文量で完結する戦記ものです!なのに起承転結がしっかりとありますし、テンポよく進みながらも戦記らしい重みがあるので十分満足できるでしょう!主人公は飛び抜けて秀でている部分はありませんが、皆に愛されていますし、ここぞというときの決断力や怯える内心を隠してでも堂々とするところに好感を持てました!主人公だけでなく、生き残ったお兄さんやそのお嫁さん、主人公の部下たち、そして主人公を支える王女、それら全てがまるで生きているかのように動くので無理なく物語の中に入り込めます!最後までどうなるのかわからないルキウスの反逆の物語、面白いこと間違いなしなので是非一度読んでみてはいかがでしょうか!
この作品には転生者はいません。チートもなければ、未来や異世界の知識もなく、カワイイ女の子がいますがハーレムではなく、まして魔法や超能力さえ出てきません。ぶつかるのは武器と武器、兵と兵、智謀に将器、そしてそれらを全力で駆使する戦う人間達、それぞれの立場の中で考えを巡らせる人々がいるだけです。だからこそ面白い!リアリティを重視した描写には、濃厚な迫力と説得力が感じられること、間違いなしです。冒頭、王都を奪取し自らの軍旗を掲げ、王師に包囲されながら、自らが逆臣であることを、主人公ルキウスは自覚します。何故、彼がそうした手段に出るのか?その考えに至るまでの経緯とは?そして彼が自らの中に見出した、「逆臣」の名の意味とは?商船に、海戦に、陸戦に、そして決戦へ。自らの舞台へ乗り出し、こぎ出す若き逆臣の戦いの始まりを描いた、戦記好きには是非ともオススメしたい作品です!
テンプレ、ハーレム、チートetc.etc.――――そんなライトな作品に食傷気味となった方へおすすめの作品。侯爵家の三男坊ルキウス。一族が経営する商会の会長として、数多くの商船を駆って商いに勤しんでいた彼が、ある時王位継承権を持つお姫様を王都まで運ぶという依頼を受ける。そこに隠された数々の陰謀。やがては逆臣と呼ばれることになるルキウスの物語がどうなっていくのか。今はまだ小さな蛇。しかし……?