評価:★★★★☆ 4.2
――星の輝きは、いのちの輝き。夜空に光る星が落ちたとき、地上のいのちもひとつ消える。
地上へと落ちた星は、星詠みの巫女によって見つけられ、星拾い人によって探し出し、遺された人のもとへと届けられる。
当代の星詠みの巫女であるシャートには、幼い頃からともにいる世話役の青年・アルコルがいた。星詠みの巫女は、島の中心にある塔の外へ出ることなく、流れ落ちた星の居所を告げるだけ――けれど、とあるひとつの星をきっかけに、シャートは「星を届けに行きたい」と言い出して、ふたりの変わらなかった日常が、ほんの少しずつ変わってゆく。
大切な人の星を受け取る人間も、いろいろな人がいる。いらないと叫ぶ者、泣き崩れる者、泣きそうな顔で微笑む者――そんな人々との出会いの中で、いつも一緒だったシャートが、少しずつ手の届かない遠くへいってしまいそうな、そんな予感がしていた。
満天の星空のもとで繰り広げられる、シリアスファンタジー。
時代:未登録
舞台:異世界
注意:全年齢対象
最初、題名からはあまり興味はありませんでした。でも可憐な王子シリーズが面白くて、少し迷いながらこちらを読み始めました。人を死に関わる内容に、その人々の胸の傷み、主人公たちの絆というのでしょうか…目が離せず、恥ずかしながら涙が止まらず、ずっと泣きながら読みました。NEWSでも殺人など普通に流れる中、久し振りに胸をうたれました。