評価:★★★★☆ 4
「ククク。ヤツは四天王の中では最弱……」
バカ二人は気がついていない。
四天王最強のノーム様が勇者に倒された。どうしよう。1967年。鳥取県立由良育英高等学校に所属する女学生・西尾由紀子は神隠しに遭った。
異世界・『箱庭』。
そこは『勇者』と呼ばれる超越者たちと、異世界の魔王・『魔王ディーヌスレイト』を模した魔導人形が支配する『魔族』との絶え間ない戦争が666年続く地獄の世界。
魔都を護るは親友に不安を漏らし、友の死を嘆く一人の少女。
魔都に迫るは魔族の撲滅を望む勇者率いる大軍勢。
志半ばで果てた友の名、義父の意志を引き継ぎ彼女は『魔将』となる。※なろう本編は完結済みです。外伝『でろ編』も完結。
雰囲気:未登録
展開:未登録
タイトルだけではなく、キャラクター達の会話等様々なシーンの隅々に細かに散りばめられる、思わずくすっと笑ってしまう様なユーモアや洒落が織り込まれていて、楽しく読むことが出来ました。また、キャラクターの一人一人も生き生きとしていて、良い意味で個性が立っているなと感じました。物語としては、上述したユーモアあり、シリアスあり、そしてほろっとする場面あり、のとても完成された構成だと感じます。
1960年代、鳥取県出身――という言葉に惹かれる方、ぜひ一読することをお勧めします!小説の中にちりばめられた、方言、時代背景が少し違ったファンタジーを生み出しています。由紀子は魔王軍第一軍団長、『水のウンディーネ』。魔王を守るため勇者軍と戦い、魔族の仲間を守る気高く、慈悲溢れる四天王のひとり。だが、裏では親友に不安を漏らし、友の死を嘆く一人の少女だった……既に完結済みのお話ですが、過去編のエピソードも含まれており、世界観に引きずり込まれます!!
「ヤツは四天王の中では最弱」「人間如きに敗れるとは、まさに恥さらしよの」――バカ二人は気がついていない。四天王最強のノーム様が勇者に倒された。どうしよう!そんなあらすじと冒頭から引き込まれる世界観。ついつい次へと読み進めてしまう、名伏しがたい魅力!それがこのお話の醍醐味だと思います。何よりも主人公が魅力的です。「好きな女性が出来てしまいました。二百年以上年下なのでどうかと」惹かれる台詞回しがたまりません。連休(等)に、じっくり読みふけりたい物語を探している皆様に、心底オススメです。私はこのお話が大好きでたまりません。どうぞご一読下さいませ!