評価:★★★★☆ 4
___辺鄙な田舎町、A田町にはある伝承がる。この世に蔓延る凶悪な妖怪を封じ込めた『狐草子』……そしてそれを守る狐様。もし狐草子の封印を解いたならば、狐様の手によって様々な災いがもたらされる、そんな伝承___
宮本雅はA田町に暮らす気弱な少年。そんな彼の前に『寝ている間にうっかり狐草子を盗まれた』という狐様が現れる。
可愛らしい狐耳の少女の姿で。
狐草子を取り返してほしい……そう雅に頼み込む狐の少女。何故なら雅はこの町に代々暮らす妖術使い……妖怪を倒す存在だったからである。
とてつもない力を秘めていながらも臆病で弱気なせいでろくに戦えない宮本雅。彼の幼馴染で同じく妖術使いの島風美鳥。彼らの前に立ちはだかる謎の人物たち。
狐草子を巡る者達による現代妖怪バトルファンタジーが幕を開ける!※ある文庫の新人賞で一次選考を通過した作品です。審査が終わったようですし(それより上へはいけませんでした)折角なのでここへ。既に出来上がっている作品なので三日に一回一章ごとに更新してゆく予定です。よろしくお願いします。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
様々な寓話や神話を自分なりに探求しようとしている姿勢は、とても面白い。だけれど、この小説にはあまりに謎が多すぎる作品である事は否めない。だが、日本・また世界に起きた実際の出来事を寓話化するその方針は、読み手の人生の道しるべとするための目的で作っているのであるならば、それは明らかに成功している。なぜなら、人生は物語のためにあるのではない、むしろ物語こそが人生のためにあるからだ。けれども、この小説は大衆の人間を泣かす作品である可能性はある。また、大変な誤解を受けやすい作品でもある。「口は災いのもと」という言葉があるけれど、まさにこの作品は、その「災いのもと」になる可能性がある。だけれど、先人の言葉にこんな言葉もある。「災い転じて、福となす」つまり結局は鑑賞者の意志によって、この物語が薬となったり 毒となったりする。この物語は、とてもいい物語だ。