この異世界で一番美しいものを探す旅

読了後に胸の中にじんわりと広がる感動が素晴らしい作品。召喚された主人公が異世界で一番美しいものを探す旅なのですが、旅の道程で出会ったヒロインたちと主人公の関係が本当に心地よい。ラストの方での主人公一行が和やかに会話する場面は切なさと感動が胸の中に広がりました。ネタバレをすればいくらでも語ることはできるのですが、この作品を楽しんでもらうためにもここでの明記は避けさせてもらいます。 捻くれてねじ曲がったしかし自分の中に確かな理念がある主人公が人に触れ、心を交わして少しづつ成長していくお話です

ダークファンタジーと称して、最初の一話が人類滅亡以外そんなにダークとは思えないストーリー。たまに地球での過去を語るトラウマが胸を刺さるところがダークと言えばダークかもしれない。登場人物も個性があって、物語は人との付き合えをうまく描写されて、暖かいすら思えてしまう。モンスターを討伐した後カードになって回収できるのは逆に血が流されないから中高生向け。屑主人公と言っても、なろう全体の主人公から見て、むしろ誠実な方。ある意味埋もれた原因はタグやジャンルの設定ミス。ランキング上位にいてもおかしくない良作。テンプレ★★☆☆☆グルメ　★☆☆☆☆俺tueee ★★★☆☆ハーレム★★★☆☆人物　　★★★★☆冒険　　★★★★☆ストーリー★★★★★お勧め　　★★★★★

この作品の魅力は、主人公とその仲間達にあると感じた。現世での様々な出来事でひねくれてしまった彼は、偽善を良しとせず、事あるごとに露悪的に振舞おうとする。しかし彼が人の痛みが分かる、心根の優しい人物であるということを仲間達は皆理解している。懐疑的で、気の利いたことも言えず、常に相手のことばかり考えて自分の居場所がなくなることに強く不安を覚えてしまう彼が、異世界で初めて仲間を得て、旅をして、成長していく物語。レビュータイトルは物語の終盤で彼が放った言葉である。異世界転生モノならではの、最高にアガる台詞だと私は思うのだ。