評価:★★★★☆ 4.2
人は捨てた――剣と盾を。それに勝る力を手に入れた世界は、近代化への道をひた走っていた。そんな時代、文明の最先端を行く国の首都の下町で、こんな看板を出している店があった。『万屋カーシュナー、ただし荒事却下』。「今日はどんなご依頼でしょう。魔物の討伐? すいません、却下で。ええ、万屋ですがなにか?」「ちゃんと働け真面目にっ!」。怠惰だけれど凄腕技術者と、彼に拾われた『剣を捨てられぬ』男。とことんほのぼの、たまにシリアス。でこぼこコンビの万屋生活。※1話完結オムニバス形式です。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
剣の時代が終わりを告げ、進化していく文明と王国。激動の時代の下町にひっそりと看板を掲げる『万屋カーシュナー』には、今日もまたワケアリな依頼が舞いこんでくる。サボり癖のある店主と、彼に雇われた真面目な剣士。そしてふたりを取り巻く個性抜群の友人や仲間たち。魅力的なキャラクタが織りなす協奏曲は、ときにコメディタッチに、ときにシリアスに、ときにハートフルに描かれて色彩豊かな物語を紡ぎ出しています。笑いたい方も、涙したい方も、心温まりたい方も必見です。
剣と魔法の時代が終わりを告げ、魔法は魔装具というより一般的な形で人々の生活に溶け込むようになったそんな時代。 いわば時代の節目に生きる一人の青年は過去の物となりつつある剣に己を託して生きてきた。 首都でよろずやを営むもう一人の青年は魔装具の修理を請け負って日々を過ごしてきた。 過去と未来の象徴のような二人の交わらないはずの人生は何の運命の悪戯なのか、ある日重なり合う。 二人の間にあるのは友情か。信頼か。それともある種のシンパシーか。いや、何よりも他人への優しい視線が共通点か。 この物語に展開されるのは軽妙な会話をアクセントとした運命という名の万華鏡(カレイドスコープ)。 ようこそ、よろずやカーシュナーへ。丁寧な筆致と人間性に対する優しい視線がこもった文章が読者を魅了してくれる良作です。
万物屋と呼ばれる店は多くの人々に慕われ、困ったことあれば誰もが最初にここを尋ねる……が、荒事お断り。そのくせ、魔物を倒すことや誘拐され少女を助けたり、としてしまうほどなんです。それ以外にもほのぼのとした日常の話も面白く、のんびりとした傭兵の彼と万物屋の主人の意外な一面を知ってしまうことあるかもしれません。今日もまた、人々は彼らの助けが必要なので万物屋へと訪れる。
万屋というには、ちょっと不思議な商売。魔物を狩る? 悪いが他の店に行ってくれ『物騒な話はお断り』そんな万屋をめぐる物語です。変わっている普通じゃない。普通じゃないから、普通じゃない展開もあるかも……どこにでもある物語を描いたり、そうでなかったり。作者様である。狼花様の作風がガラッと変わったように見える作品です。ジャンルは違えど、その腕は超一流。見るもの魅せる小説を是非、ごらんになってください。ちなみに、この小説は一話一話完結してますので。初めて見る方にも良心的な構造になっております!是非、拝読を! 読まなきゃ損ですよ!!