評価:★★★★☆ 4.1
【1話完結。連作短編。どこから読んでもOKです!】中学二年生の僕は、厨二病まっさかりのお年頃。ネットを巡回しては、怪しげな知識を集めて喜んでいる。そんな僕が所属している文芸部の美少女な先輩が、最近ノートパソコンを買って、ネットスラングに興味を持ち始めた。先輩は僕に、怪しげな言葉について質問してくる。「あ、あの。それは性的な意味なんですけど……」ちょっとエロかったり、腐っていたり、そんな用語を、純真可憐な先輩にどう答えるか。それはもう、悩ましい毎日。「サカキく~ん。これ、どういう意味?」うわっ、やばい。先輩が質問してきた。僕のドキドキで「ツライ」毎日が、今日も始まった。
※頁末に2周目情報あり。
(初出:本ページ、遅れて重複投稿:はてなブログ、CRUNCH MAGAZINE、note、E☆エブリスタ)
雰囲気:ほのぼの
展開:未登録
注意:R15
ネットスラングに関する解説を、ちょっとアレな主人公が可能な限り当たり障りない範囲で解説し、そして自爆する。 ――という風に、概ね毎回同じ内容である。 だが読んでいてもまったく飽きない。 そして何より凄いのが、毎回同じ書き出しで始まる、ということ。 毎回同じ書き出しで、取り上げるテーマに関わる小ネタを、主人公の一人称視点での地の文で見事に織り込んでいく。主人公はネットスラングに対して無知、かつ無垢なヒロインに対して、差し支えのない範囲でその用語を解説するのだが、その言い逃れ方も毎回同じテンプレでよくネタが思いつくものだと関心させられる。 そして思い出したように、そのテンプレから外れた話が挿入されるのだ。これがヒロイン達との交流や主人公自身を描いていて、普段がテンプレなだけに極めて印象深いんである。
内容はネットサーフィンをする上で目にするであろうメタな方面のネット用語(orz、飯テロ、ノシなど)をキャラクターのやり取りで解説していくというもの。 その意味を知らない人にはネットを活用していく上で役立つ辞書がわりになるし、逆にその意味を知っている人にとってはその用語が生まれた起源・経緯を知ることが出来るからまた面白い。その掘り下げ具合は実際に書店に出して売る本としても通用する程に深く、それをわかりやすくまとめる作者に頭が上がらないくらいだ。 そして、それらを唯の解説文章として終わらせず、ところどころにキャラクターの個性で彩ったコメディを織り交ぜて楽しませてくれる。 誰もが一度は読んでおいて損はない。ただし、取り扱っているメタ用語の中にはR-18な意味合いなものも堂々と上げているのでそこらへんは注意。
基本一話完結。お題の用語知識が無くても楽しめます。時間のない人にオススメ。そうでない人にもオススメ。毎回、ネット用語の解説を軸に気になる先輩との会話にドキドキするお話です。題材にごまかされそうになりますが、濃密な言葉遊びに彩られた確かな構成と良いテンポで、読み手の心をつかんで離しません。ネット用語慣れしている人ならば、”こうかはばつぐん”でしょう。ちりばめられた小ネタもクスっとくること請け合いです。