俯棺風景 完結日:2015年5月4日 作者:ししゃもふれでりっく 評価:★★★★☆ 4.2 皆が期待を寄せてはじまったVRMMOのβテスト。 その開始直後、世界は彼ら・彼女らの棺桶となった。 ルールは二つ。 最後に生き残った一人だけが元の世界へと帰る事が出来る。 自殺禁止。 そんなありきたりなデスゲーム。 それは爆発と共にスタートした。 話数:全116話 ジャンル:VRゲーム 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:現代 舞台:VRMMO 雰囲気:ダーク 展開:未登録 その他要素 サバイバルゲーム デスゲーム 殺人 注意:R15 残酷な描写あり なろうで小説を読む
“これは、どうしようもなく救いのない物語。ありきたりなデスゲーム。ジャンルはVRゲームだけれども、どうあがいてもハッピーエンドにはならない世界。だからこそ生まれるヒューマンドラマが美しい。ただ主人公が知り得ない情報を補完するためだけの他者視点ではなく、こんな世界でも、彼らが狂気にまみれていたとしても、人は全員背景を持っていて、自分なりに生きていて、そして死んでいく。そんな当たり前の事が描写され、その描写が丁寧だから登場人物達に魅力を感じ、他者視点で描かれる際にその内面を想像してしまう。そんな辛くて美しい群像劇。その終幕も、タイトルに引用したように美しい。 “”いつだって世界は残酷で、臭い物だらけで、汚いものだらけだ。 けれど、それでも尚。 綺麗なものだってあるのだ。””このやるせなくて、でも美しい余韻にあなたにも浸ってほしい。”
夜な夜な読みふけってしまいました。ありきたりな設定、ありきたりな物語、それをふまえてなお素晴らしい作品だと思いました。登場人物それぞれが特徴的でブレる事なく殺し、殺され、最後まで休憩する間もなく読破してしまいました(笑)自分は視点が主人公以外にブレる作品はあまり好きじゃないのですが、個々の物語が一つ一つ面白く、そこまで気にならずに読めました。レビューを書くなど初めてですし、書く気もあまり無かったのですが、思わず書いてしまいました。これからも執筆頑張ってください!
VRMMOのβテストで棺桶の中に閉じ込められた主人公たち。このゲームのルールは二つあります。ひとつ目、最後に生き残った一人だけが元の世界へと帰る事が出来る。そしてふたつ目、自殺禁止。ありきたりなデスゲームと謳われているこの物語、見どころは複数の個性豊かなキャラクタが交差する『群像劇』です。DEX特化の主人公と、成り行きで一緒になった爆弾少女の物語。VRMMOの世界で視力を取り戻した、少女の物語。VIT特化で臆病者の、悪魔憐れむ男の物語。愛ゆえに狂ってしまった、焦がれた相手を追う女王の物語。シスターとして振る舞う、廃墟に謳う少女の物語。謎の少年の隠された物語。いろいろな登場人物と交差する『群像劇』。最後の結末を目にした瞬間、この『俯棺風景』はあなたの中で何かを残すでしょう。このどうしようもなく救いのない世界、『俯棺風景』を、どうか心から堪能してみて下さい。