評価:★★★★☆ 4.1
「蟻が毒を運んできた」
そう称されるのは一つの疫病の流行であった。蟻や感染者に触れると感染するという避け難い感染経路と方法に、人類に対応する間も無く、その9割は瞬く間に死滅してしまう。
人々は食料を奪い合い、殺し合い、騙し合う。そのような世界へと変貌を遂げた。
そんな中、白沼路人は自らに疫病の抗体ができていたことに気が付く。
成り行きで女子学生三人を保護することになり、キャンプ場を拠点とした生活を始めるのであった。
終末世界を舞台としたどこかコミカルなサバイバル物語。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:現代
舞台:未登録
雰囲気:シリアス
展開:未登録
突如未知の病原菌を持った蟻が発見されます。感染した人間は数日のうちに発症してゾンビになるわけでもなく、ただただ死んでしまいます。主人公も気づいた時には感染しているのですが、なぜか死にません!一見よくあるパンデミックものかと思いきや原因や感染状態などいろいろとテンプレからズレた作風となっているので斬新で面白かったです!また、世界が結構やばい状況なのに主人公たちの周りだけどこか歪ながらも普通の日常を送っているのですよね。その歪さがより作品を引き立てているのではないかと思います!そこがダメという人も多そうですが私としては問題なく読めました!あとは終わり方もいろいろな意見がありそうですけど、私はああいう終わり方も良いなあと思いました!パニックものでは結構使われていますよね。自分だけが普通に過ごせる状況で少女たちと送るどこか歪な日常、面白いので是非読んでみてください!
蟻からうつる感染症が社会を崩壊させた。人々は争い、死の恐怖に怯えるそんな中、白沼は自らが抗体を持っていることに気がつく。そして成り行きで3人のアホの子と共同生活を送ることになるのだった…… 完結に伴いレビューの改定をば。 サバイバル、パンデミックとくればシリアスが全体を占めそうなものなのに、彼らのやりとりはどこかコミカルでさえある。先行きが不安だからこそ、明るくあろうとしているのか? いや違う。彼らは素でこれなのだ。生きることを楽しみ、社会よりも自分を心配する等身大の人間たちなのだ。 無気力に見えつつ情にほだされる白沼さんと、無防備なまでの好意をぶつける3人。それぞれに異なる魅力、共通する魅力を兼ね備えている。4人お互いがお互いに影響しあって少しずつ変化する人間関係。疫病の解決はどうなるのか。 めぐる螺旋のような物語をどうぞ。