評価:★★★★★ 4.5

 二週間ほど前から聖司は写真部を名乗る少年、真崎に付きまとわれていた。写真を撮らせて欲しい、というのだ。あんたを壊してみたい、と笑う真崎が見せた写真の一枚に、ぎくりとなった。それに写っていたのは聖司だ。――虚像でかためた聖司を、真崎が誇らしげに語る。
「でも、俺のじゃない気がするから、もう一度撮らせて欲しいな、と」
 そう言った真崎へ、無表情だった面に聖司はくっきりと笑みを刻んだ。じゃあ、来ればいい、と真崎を家に連れて行く。
 そこで待っていたのは、聖司を他界した父親と重ねる母との陰惨な家庭事情だった。
 求めるものが何だったのかを真崎に見せ付けた聖司は、ある日、奴が写真部を辞めたことを知る……


話数:全16話

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族
  • 未登録

時代:
舞台:未登録
雰囲気:
展開:未登録