評価:★★★★☆ 4.1
阪神大震災で瓦礫の中を飲まず食わすで逃げまどった7日間。「略奪はなかった」「被災者は冷静だった」 上空を飛び回る報道ヘリがかき消した被災者目線の真実。
召喚魔法も斬龍刀も登場しない現代の冒険譚。ノンフィクション。
サバイバルから縁遠い一般人が垣間見た地獄。ある被災者の物語。
貴方は空腹のあまり、焼死体に食欲を抱いた事はありますか?
※本作品は実体験に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため店名や個人名は全て仮名としています。ご了承ください。
話数:全23話
ジャンル:ヒューマンドラマ
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:現代
舞台:未登録
注意:悲劇
自分はその時、幼稚園児でした。大阪に住んでいましたが、家族親戚は神戸に住んでいなかったので関係ないことでした。その日、私は震災で両親に起こされたものの二度寝し、幼稚園からも「本日は休園」との連絡があり、遅くに起きました。阪神大震災は当時の私にとって全く関係のない話で、テレビに映された燃え広がる神戸のライブ映像に、怖いね怖いね、と話をする程度でした。他人ごとだった、と思います。去年、ルミナリエにも行きました。東日本大震災のとき、私は仕事に集中していて気づきませんでした。震度2・3程度の地震で飛び起きることもあります。ですが、恥ずかしながら、わが家で震災の準備などはしていません。私のなかで、震災、とは未だにぼんやりしたままですが、この話を読んで、もう少し考えなければいけないと思いました。
生まれて初めて背筋が凍った作品でした。読み終わった後の率直な感想は「見なきゃよかった」と「見といてよかった」でした。前者は、人が壊れていく様におののいたから。後者は、あの震災の「リアル」を感じられたから。節目節目に作られるテレビドラマはもともとから好きではありませんが、それらがいかに陳腐であったか。この作品が教えてくれました。
私は、神戸で育ちましたと言うと必ず「震災の時は?」と聞かれます。震災の時は、東京にいてテレビを見ていました。兵庫県に行ったのは95年の12月でした。避難所となった小学校で、水がなかったことを普通の思い出のように話す同級生がいました。仮設住宅も近くにありました。でも、この小説を読むと、長田区近辺出身じゃないと震災のことを語ってはいけないのではないかとさえ思われます。今年もルミナリエが開催されます。私はそれに対して語る言葉を持ちません。私は地獄を見たことがありません。人肉を食べたいと思ったことはありません。それがどんなに幸いなことか。
他の災害にも言えますが阪神淡路の災害は最近では放送で少ししか流しません。が、素直に考えればわかる事、テレビのニュースで多種多様な情報が流れていくのに大地震の時は常にその事しか流れない事を。これがどれほど日常とかけ離れているのかということを沢山の人にわかってもらいたいです(かく言う私はその数ヵ月後に生まれるのでその映像でしか阪神の事を知りませんでした)。 どれほど多く被災者の人生を狂わせたことを考えると、まさに。悪夢と言わざるえません。この作品はより多く、より広く読んでもらいたいです。二度とこのような悪夢が生まれないために。
欠点はある作品です。一人称で且つ(おそらく)作者の知識の問題で、無茶苦茶なことが随所に出てきます。(それは災害時に正常な思考ができないといった類のものではないので、残念ながら欠点です。)しかし、大変「読む価値のある」作品でした。被災者目線での、マスコミや知識人の教えない現実が描かれているのですから。これは阪神淡路大震災の実話をもとにしたものであるため、一概に他の被災地と一緒とはいえないでしょうが、それでも、人間は追い込まれるとどうなるか、地獄のような様はやはり共通なはずで、思い知らされます。単に悲惨だというだけではない、数々のドラマもあります。そして、作者は意識していないかもしれませんが、不合理な日本人の、いつまで経っても反省しない有様も伝えられています。
震災は人を人でなくさせます。あらゆる意味で……肉体も、心も、全てが人間でなくなるのです。この作品を読んでそう感じさせられました。上手く言えません、上手く伝えられません。ですがここには忘れてはいけない事が書いてあるのです。教科書に載らない事実、これを伝えなければならないと初めてレビューという物を書かせて頂きました。乱文で申し訳ありませんが。この作品は伝えていかなければいけないと心の底から思いました。
今日で震災から19年、あの日の事は忘れられません自分は大阪南部ですので揺れだけで済みましたがそれでも震度4で中々揺れが止まらず怖かったのを覚えています。丁度TVを付けて直ぐにド~ンと音がしてゴゴゴと地鳴りがする様に揺れが始まり中々止まらないので倒壊するのかと柱にしがみ付いてましたwTVでもスタジオが大混乱で神戸の情報も無く最初は梅田のショールームのガラスが割れたとかビルの上のクレーンが落ちたとかでしたが阪神高速が倒れたとか神戸が火の海とかの情報は7時前位でしたが、映像を見たときは信じられませんでした。自分はペットボトルとかの寄付位しか出来ませんでしたが、淀川越えて阪神間に行った時はいつもと変わら無い大阪側との違いに唖然としました。あの震災に見舞われ亡くなられた方々の冥福を祈りたいと思います。
東日本大震災に比べて阪神は放射能がないので大したことないと言われていますが、大したことのない災害はないということをわかってもらいたいです。今でも地震の爪痕は残っています。完全復興など有りえるんでしょうか。どれほど多くの人生を狂わせたことでしょう。みなさんにこの作品をぜひ読んでもらいたいです。二度とこのような災害は起こらせないために。