我が渇愛を人造愛妻に捧ぐ

愛する妻はホムンクルス。彼女とは子供を宿すことができない、と理解していた彼はその方法を得るために旅に出た。妻と共に諸国を巡り回ることでさまざまな情報を得ると同時に、やっかいごとへと巻き込まれることもあれば、友人や仲間となる人物たちとの出会いも待っていた。彼はどのような障害が立ち塞がっても、止まることなどなく、ただひたすら前へと歩み続けることで欲しい物を手に入れる。ただ、愛する妻のために……

　地球から異世界へと連れて来られ、永遠に等しい生命と魔力を与えられた主人公。ほかの同じような境遇の人々がその世界を蹂躙するのをよそに、臆病な彼は自らの安寧を得るために迷宮を造ってそこに引きこもった。　やがて彼は性欲を満たすためだけに美しいホムンクルスを創った。故に彼女は生殖機能は有していない。　しかし。　主人公は後に自らのその決断を呪うことになる。彼女を、本当の意味で愛するようになったのだ。しかし彼女との間に子は産まれない。彼自身がそのように創ったのだから。　彼は彼女との子を欲した。しかし彼女をそのように創りかえることは技術的に不可能。　彼は、それを達する方法を求めて、旅に出るのだった。美しい彼女を伴って……。　豊富な語彙をもって語られる純愛ものです。難しい文章は苦手という方も、まだ話数が少ないので一度読んでみてください。辞書片手にでもその先を知りたくなるかも知れません。