評価:★★★★☆ 4
小さな武器屋を経営する店主には、呪われたアイテムを看破し破壊する「特別な能力」があった。武器屋である立場を活かし、一族の宿業ともいえる能力「呪物破壊」で呪物を狩リ続ける店主は、いつしか大陸全土を揺るがす陰謀に巻き込まれていく……一癖も二癖もある常連客に囲まれた「武器屋」は、今日も絶賛繁盛中!!
***ご注意***作者が昨今の作品に疎いため、今風な要素を欠片も含みません。ご都合展開も無いので良キャラも死にます。また、スマートフォンでの読みやすさを優先していますので、作法を無視した部分もありますが御容赦下さい。初めて書いた小説ですので、ご意見ご指摘いただけると嬉しいです。スピンオフ作の「宿屋」「本屋」「王の剣」「わたしはあなたを切る。これっぽっちの後悔も残さずに」も並びに宜しくお願いします。***2015年8月15日をもちまして3年続いた連載が完結しました。御愛読、ありがとうございました***
話数:全206話
ジャンル:アドベンチャー エピック・ファンタジー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
読み終わった時点で4年前に完結している作品なのですが、作風が今どきの流行ではありません。じゃあ、何が違うかと言うと、それは『主人公が大人である』という点です。作品中に詳しい年齢の表記はありませんが、作中に登場する武器屋の主人は大人の男性です。しかも「ダンディ」とか「成熟」とか、そういう意味でなく「社会人としてわきまえている」という意味で大人です。なろう系小説はエンタメ部分を強調するため、どうしても主人公の行動理念が幼稚に(それはそれで面白い作品は沢山ありますが)設定されているのですが、本作の主人公にはそういった部分がありません。そのため物語としての爆発力が小さいのですが、全体を通して安定して読むことが出来ます。ちゃんと完結してるところも何気にいい部分です。ラストは賛否が分かれると思いますが秀逸です。俺TUEEを沢山読んでいる人にこそ、読んで欲しい一作です。
タイトルに騙されてはいけない。コメディ成分は確かに存在するものの、本作は設定の細部にまで凝り、綿密な伏線でストーリーを構築している本格派ノベルだ。作者氏の卓越した筆力で魅せる重厚な群像劇ファンタジーである。8割方がシリアス(残りのコメディ成分、その中の上質なパロディに笑うかもしれない)で、特に終盤では肌が泡立つようなカタルシスと、一切の妥協を許さぬ壮絶な展開が待っている。登場人物が歩むのは、あまりに現実的で、普遍的な、シビアなシステムに支えられたファンタジー世界。微かな福音と、氷河のような苦しさが覆う世界だ。為す術の無い悲劇に狂い、妄執に囚われながらも主人公と共に生き抜く人々。彼らの在り方はどうしようもなく切なく、読者の胸を打つ。これは英雄に憧れ、運命に愛されなかった武器屋の物語。足掻きに足掻き、守りたいものを守ろうとした男の物語だ。