ハミ太平記

　一族の生き残りである少女が指導者へと担ぎ出され、そこで様々な体験を経ながら君主として成長していく物語。　仇敵を滅ぼして御家再興を成して終わりというわけでなく、そこから先より艱難辛苦を味わいながら清濁併せ呑む君主へと変貌していくのが主人公の魅力だろう。　タイトルに『太平記』とあるように、足利尊氏が味わったような苦悩に苛まれながら、挫けることなく強い意思で大業を成す主人公クルエの活躍を御照覧いただきたい。

　主人公であるクルエは大国ダガールに滅ぼされたハミ一族の生き残り。最初は担ぎあげられた彼女ですが、運命に屈せず、自らの誇りを賭けて頼れる家臣や新たな味方と共に御家復興の為に尽力します。　強力なダガール軍との戦いだけでなく、臣下同士の不和や謀略に揉まれながらも一歩一歩、再興への道を歩みを進めていきます。　戦後処理や外交等も描かれており、敵を倒して終わりの単なる戦争物に終わらない作品です。