評価:★★★★☆ 4.4
小学校の同窓会。俺は、かつての悪友達と再会した。
何故か母校へ肝試しに行くことになって、俺は渋々、夜の廃校舎を訪れるハメに。
テーマは七不思議の検証。
どれもこれも、子供が作った、他愛ない怪談話のはずだった。
でも、其処には、おぞましい過去の痕跡が残されていて……。
俺達は忘れていたのだ。
あぁ、俺達四人は、幽霊なんかより、よっぽど――怖い。
*アルファポリス様にも同作品を投稿しております。
話数:全5話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
やった方は忘れても、やられた方は決して忘れない。まさにその言葉通りの作品だ。冒頭から、不穏な空気は漂う。息苦しい名ばかりの友人たちと話を交わすうちに、主人公は自ら記憶の蓋をあけることになる。いや、それもまた必然であったのかもしれない。子どもだから許される? そんなことはない。ただの遊び? ならば警察へ行ってみるといい。もう済んだはなし? それはやられた側が決めること。人の命や人生を誠の意味で贖うことなど、できるはずがないのだ。因果応報、自業自得。そう言った言葉でまとめることもできるだろう。けれどこの作品で一番印象的なのは、気の毒な少年が抱える深い孤独である。最後に見せる、あの寂しげな笑顔はきっとあなたの心に爪痕を残していくだろう。決して忘れてはいけない。忘れることが許されるのは、傷ついた被害者とその家族だけだ。加害者も、傍観者も、その罪を抱えて生きていかねばならない。