フィクション殺人事件 完結日:2015年7月20日 作者:菱川あいず 評価:★★★★☆ 4.2朝の教室で一人の少女が殺された。同級生の突然の死を目の当たりにして混乱する生徒を着席させ、先生は裁きのホームルームを始める。先生の名指しした犯人、その断罪方法は信じられないものだった。 -フィクションはリアルであり、リアルはフィクションだ。 六人の視点から描かれる事件の真相。 話数:全14話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 イジメ 殺人 短編 注意:R15 なろうで小説を読む
普通に読み始めたら度肝を抜かれることでしょう。かなり意外な展開の作品です。「いじめ」「殺人」からイメージされる短編とはかなり違っています。深読みしようとすれば、いくらでも深読みできるようなテーマを扱っています。現実にこういうことが起こっていてもおかしくない…あるいは、近いことがたくさん起こっているんじゃないかと思わせる迫力と筆力がある作品です。ラストまで一気に読むことをオススメします!
“真実はいつもひとつ!とある名探偵の台詞だが、果たして本当にそうだろうか?彼女はいじめを受けていた。そして死んだ。クラスメート全員がいる教室で。それは事実。誰が彼女を殺したのか?衆人環視の元に行われたはずなのに、誰も””本当””にはたどり着けない。この作品に名探偵はおらず、事件の関係者6人の供述を元に構成されている。いじめ主犯者が、友人が、級友Aが、そして先生が、それぞれがそれぞれの真実を語る時、新たな真実が浮かび上がってくる。でもそれもフィクション。真実は割れた花瓶の数だけある。さてミステリーとしても一級品のこの作品だが、いじめ、教育。この重いテーマに作者は正面からぶつかることで、ミステリーという冠が外れ一本の小説として見ても、重厚な作品に仕上げている。それこそレビューしたい、読んでもらいたい核の部分。本当にお薦めです。”