評価:★★★★☆ 4.4
皇帝は三代の御代となり、国を繁栄させる過程において文官が重宝された時代、逆に言えば武官は冷遇された時代に、武芸の道を選んだ少女がいた。少女の父は武官をたばねる組織の長であり、父から宮城に入り後宮の女官に扮しつつ武官として国の姫を護る役目を与えられる。任務の過程で少女は二人の青年と出会う。一人は文官、一人は武官。一見無関係な三人は実は過去に一つの事件を通してつながっており、また、その過去によって罪を背負ってこれまで生きてきた……。
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中国・宋の時代を元にした架空の国を舞台に、武芸に通じる少女の宮城での活躍を主軸に、少女や周囲の人々が過去・罪と対峙することでその生き方を見直す物語です。
ジャンルとしては少女小説が一番近いと思いますが、武術の話もけっこう多いです。広義の意味でファンタジーでもあります。
・2017年の第五回富士見ラノベ文芸大賞一次通過、その時の内容に微修正しました(2018/8/9、冒頭など)
・2019年の第七回ネット小説大賞一次通過。
・少女篇計五巻は完結済みで、Side storyと放浪篇4まで完結済(トータル130万字超)。シリーズ全体では恋愛や闘い、これに思い悩む心理描写に力を入れてます。
話数:全57話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
人は生きていく上で常に『何をしたいか』を模索しています。この作品は『生きることとはなにか』をメインテーマに上げており、ここに登場する人物たちはそれぞれが『生きていること』に悩みを持っています。『何をしたいか』ではなく『何をすべきか』。そればかりを考えて。それはともすれば『生きている意味』をも見失いかねません。すべきことがなければ『死んだ』も同然だからです。『生きることとはなにか』それは人が生きていく上で必ずぶち当たる壁なのかもしれません。かなり重いテーマのようですが、物語自体はまるで一本の映画を観るような爽快感と非常に洗練された読みやすい文体で、若年層にもおすすめです。2016年8月現在、4巻まで投稿完結していますがこの1巻だけでもひとつの物語として完成しています。なお2巻以降はさらに複雑な恋愛事情も絡んでくるので一層ドラマチックな展開へと発展していくことになります。