評価:★★★★☆ 4.2
気がついたら異世界に転生していた。
寝ていたらいつの間にか望んでもないのに魔王になった。
働かなくていいなんてこの世界、最高じゃないか。きっと日頃の行いがよかったからに違いない。
怠惰の味は蜜の味。栄光、勤勉、貞淑、名誉など興味もない。
堕落の王とは何を隠そう――この俺の事だ。*****作者からの連絡*****
2015/12/26 ファミ通文庫さんより書籍化致しました。書籍版もよろしくお願いします。
2015/11/02 第二部完結しました。ありがとうございました。
2015/2/28 続き組んだので第二部を掲載中です。
2015/1/30 無事完結しました。ありがとうございました。※現在、二巻まで発売中
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
人間の現在と言われている七つの大罪。それを基本の性質・能力としている悪魔たちの世界の物語。前世からの怠け癖が極まり、ついに魔王にまで至った悪魔が主人公のファンタジー。というのが骨子ですが、その実それぞれの性質、それに基づく行動理念、しっかり描かれた群像劇です。馴れ合いだけでない各キャラの関係、時に笑いあり、時に別れあり、短い時間を描いている中で、キッチリとしたドラマが展開されます。魅力的なキャラたちが繰り広げる群像劇、ぜひ一度ご覧ください。
悪魔と言えば、割と知られているのが七つの大罪。嫉妬、傲慢、憤怒、飽食、色欲、強欲そして、この物語の要となっている、怠惰誰だって、少なからず身に覚えのあるその罪。だけれど、その事を我が身に感じれば恥じてしまう、罪。しかし、持たずにはいられない、原初の罪。なによりも私は、怠惰の感情に覚えがある。めんどくさい。寝てたいな。なんて、みんな思ったことがあるんじゃないだろうか?でも、生活をしている中で怠惰なままではいられない。嫉妬とか、傲慢とか、強欲とか、突き詰めたらどうなるか?って、なんとなくは考えつく。だけど、怠惰は?怠惰っていうのは突き詰めたらどこに行くのだろう?そもそも、どうして怠惰になるの?これは、その問に答えが見つかる、かもしれないお話。ユーモアで、欲に塗れた、だけどちょっぴりセンチメンタルな物語。ぜひ、ご一読ください!
漠然と語られる大罪は本当に『罪』なんだろうか?自身も悩んだ事があります。大罪と呼ばれる物が『生』を持ち、営み、関わり合う事で巡り巡られ、望む望まないに限らず産まれるものがあるんですね。時間を忘れて読んでしまう物語です。短編ですので、読みやすくわかりやすいですが、感じる事は人それぞれです。是非ともページを読み進めてみてください。