緋に記す 完結日:2015年12月15日 作者:梶 評価:★★★★☆ 4.2忌むべき過去、罪人の祖を持つ一族と、その背に掘られた歴史の話。(2015/07/25) 話数:全2話 ジャンル:ヒューマンドラマ 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 注意:残酷な描写あり なろうで小説を読む
人の一生は重い荷を背負い歩いていくようなものだと、誰かが言った。 荷の重さは、大なり小なり、人によりけり。 けれど、大抵の場合。 何を背負わされるのかは、宿命が決める。 何のために背負うかだけは、きっと己が決める。 意義を己で見出した時、やっと歩きだせる。 場合によっては、踏み外す。 ある一族は、国家に不都合故に抹消された、一人の男の歴史を隠し伝える宿命にあった。 伝えるべき歴史が一字一句欠けぬようにと、末裔が選んだ保存方法は常軌を逸しながらも、静かに誰にも知られずに脈々と伝えられる。 大変な不条理だ。 苦難の人生を、何のために先祖代々続けてきたのか。 それでも、かの一族は、碑に銘せぬ事柄を守る。 蒼期八年、夏の候、男キリサメ、娘に相対す。 その先を、緋に記す。 父母、夫婦、親子、皆が苦難に全く違う答えを見つけながら絆が生まれて行く様が、興味深いのです。