悪魔の餌食

考えてみて下さい。肉体と精神を極限にまで鍛え、更に観察眼も磨き、しかし人と喜怒哀楽がズレてしまっている極悪人。そんな奴とは一緒にいたくないですよね。この物語に出てくるペドロは、そんな人物であり、怪物であります。不幸としか言えないですが、某国の刑務所から脱獄し追っ手を煙に巻いているペドロは、日本のとある町に流れ着きます。そして暇つぶしなのか、趣味なのか、引きこもりである主人公に刺激を与え、どんな反応を見せるのか、どう成長するのか、裏方に徹しせっせとお膳立てをしていくのですが……。主人公は怪物に出会った事により、どのような道を選び、どこへと向かうのか？その続きは読んでのお楽しみであります。

この小説はタイトルの通り、悪魔に魅了された男が主人公である。ふとしたことで殺人鬼ペドロと出会った少年は、次々に復讐を遂げていく。しかし、そこにはまだ人としてなくしてはならないものがあった――独特の文章で織り成されるこの小説。誰もがペドロに魅了されていくのではないだろうか？人間の本性に迫るこの小説はもはや小説を越えているといっていい。あなたもペドロの世界を覗いてみませんか……？

　引きこもりの僕の楽しみは、双眼鏡越しに外の世界を覗くことだった。そんなある日、僕は殺人事件を目撃してしまう。殺人犯であるペドロは、僕に友達になろうと言ってくる。　僕は、ペドロと奇妙な１週間を過ごすことになって――　　殺人鬼のペドロさんが、すごい魅力的な作品でした。気まぐれて子供を殺そうとしたりするのに、発言は的を得ていて魅力的。不思議な雰囲気を持ったキャラクターです。この先、ペドロさんと共に過ごした主人公がどうなってしまうのか、続きが気になります。