評価:★★★★☆ 4.3
北の山には白い竜が住んでおり、もう十年以上は雪が降り続けている。
そんな伝承めいた話のある雪国の外れにある森の中。雪のような白い髪をもつ双子の兄妹がお父さんと三人で暮らしていた。
しかし、ある日お父さんから、双子は森の外の村で暮らすように言われる。
村では双子の髪の色は竜の呪いだと気味悪がられることになってしまい、双子は寂しさからお父さんに会うため、村を抜け出して森へと帰るのだが…。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:ハッピーエンド
注意:全年齢対象
こちらは、冬になると読みたくなる作品です。以前拝読したことがあるのですが、また冬がきたので、思わず再読してしまい、やはり良いおはなしだと思いました。おとうさんを助けたい一心で過酷な旅をゆく二人の幼い兄妹がいじらしい。だけど、旅の途中でキーマンとなる人物と出会ったところから、物語はより力強く進みはじめます。白い容姿を不気味がられ、いじめられてしまう二人の幼い子。だけど、歪まずにまっすぐに生きる姿に心が温まります。謎めいた雰囲気の白い竜たちも、時々ユーモラスな表情を見せてくれます。とても楽しい児童文学だと思いました。読みやすい文章で綴られるやさしい物語。寒い季節に、あったかい気持ちを味わうことができる、冬の名作です!