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高校二年生の小鳥遊(たかなし)彩夏(あやか)は、自分の進路を考え始めて行かなければいけない夏休みに父の従兄弟である村上藤(とう)哉(や)が経営する競走馬生産牧場に旅立つ。
村上藤哉は、彩夏の9歳年長。一流の高校、大学を卒業し、大手企業に就職したが、わずか2年で退職し、北海道に牧場を開設する。大学在学中に当時中学生だった彩夏の家庭教師を1年した経験があり、彩夏はその折の藤哉の家庭教師ぶり、ものの考え方、捉え方に感銘を受け、憧れにも似た尊敬の気持ちを抱いた。
彩夏は誰もがうらやむ人生を投げ打ってまで、北海道に渡った藤哉が理解できなかった。また、家族を何よりも大事にしていた彼が、たった一人北海道に渡った理由もわからなかった。
彼女は自分の向かうべき方向を定めるにあたり、藤哉が、どうやって自分の行くべき道を定めたのかを参考にするために、北海道への旅立ちを決めたのだった。
小鳥遊彩夏が北海道で見たもの。それはありとあらゆる競走馬の血統を残し、個々の個性に合わせたより良い育成を施し、競馬界全体の発展を考える事業に取り組む藤哉の姿だった。
藤哉のその想いに共鳴した仲間たちの集う牧場で彩夏は色々な現実と夢を目にする。しかし、藤哉たちの大きな夢を抱いて出来ることを一つずつ着実に実現していくその姿勢を目の当たりにして彩夏の心は 現実と夢の間で揺れ動く。
現実は厳しいものであることを知りつつも、夢の実現に懸命に働く人々。やがて彩夏は、心を定める。一度きりの人生だから夢に賭けてみようと。若い内ならやり直しが利くのだから今の自分に出来る精一杯のことをやろうと。
そして彩夏は1週間の北海道滞在で大きな目標を得て帰路に着くのであった。
2年後。村上藤哉は、余命わずかな父のために、馬主として父の名を歴史に残そうと一頭のサラブレッドを競馬場に送り出す。9月の阪神競馬場未勝利戦に登録された彼の名は、「タケミナカタ」天津神の侵略に対し、雄雄しく戦いを挑んだ国津神の勇者。7月から開催される新馬戦に負け続けて、9月のここが本命だった。そしてタケミナカタは、周囲の期待に応え、最低人気ながら快勝する。そして、翌年の初夏、府中の坂の上で能力を競うための第一歩を刻んだのだった。


話数:全15話

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

注意:全年齢対象