空をとられた世界の中で ~天を貫く大樹の剣~ 完結日:2016年2月3日 作者:夜々里 春 評価:★★★★☆ 4 その世界に空はなかった。天蓋竜と呼ばれる山よりも大きな竜に奪われたのだ。陽光を失った大地は腐蝕し、人の住める地は段々と失われていく。腐蝕化を和らげる手段は選ばれた巫女を生贄に捧げること。そしてまた一人の少女が命を捧げようとしていた――。 空を奪られた世界に下り立った記憶のない男。彼は巫女を救うため、その身に宿した大樹の力――手にした物を巨大化する力を以って天蓋竜へと挑む。 話数:全24話 ジャンル:ファンタジー 異世界ファンタジー 登場人物 主人公属性 いずれ主人公最強 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:異世界 雰囲気:未登録 展開:王道 その他要素 バトル 成長/限界突破 獣人 異世界転移 転生 魔法 注意:R15 残酷な描写あり なろうで小説を読む
今作を簡単に説明するならば、主人公が死にゆくヒロインを救うために戦うお話。非常にわかりやすい王道パターンです。しかしその主人公の記憶がなく、憶えているのは自分の名前のみ。戦う相手が、倒すのはまず不可能な、巨大で強大な竜。さらには人でさえ、主人公を妨害しようとしたりと、序盤から多くの障害が待ち構えています。ですが主人公は「物体の巨大化」と「肉体限界の向上」の二つの力を使い、敵とのガチンコ勝負を展開していきます。二十話から始まる竜との一騎打ちは、いい意味でとんでもないことになってます。その命懸けの戦いの理由が、ひとえにヒロインのためという状況。『漢』という言葉が似合う、そんな主人公です。少年の頃の、あのわくわくする感情を思い返せるとても良い作品だと感じました。竜との戦いも終わり、これから一体どうなるかわかりませんが、できることなら続いて欲しいと、一読者として思わずにいられません。