象牙の塔の未来学者

　黒鴉の民の少年、フィルは魔法学校に合格して、故郷のド田舎の村から都にやってくる。学院に所属する最年少の魔術師として、師事することになったのは、有史以来の天才魔女と名高い、アリステア導師だった。

　一方、銀狼の民の族長の孫娘、レティシアは、学院に主席で合格した。しかしアリステアの独断と偏見により、希望した研究室への配属を許可されない。

　直談判の結果、レティシアに課せられたのは、フィルを教育するという役目だった。なんとか転属は許可されたものの、レティシアは学内で微妙な立場に立たされる。それでも、一緒に勉強したり、共に魔物と戦ううちに。二人は仲良くなっていく。

　レティシアの弟の誕生日パーティの会場で、暗殺者に襲われるレティシアたち一家。フィルが魔法で撃退するも、逆に学院の地下牢に投獄されてしまう。
　フォクツたちの助けを借りて朗から脱出したフィルたちが見たのは、学院の中庭にうごめく魔物達だった。