評価:★★★★☆ 4.1
ウイルス感染により男性しか存在しない国、ゼルダのエリート官僚、キース。
ジャングルに不時着した彼は、その中で人間離れした美女に出逢う。彼女は女性しか生まれない一族出身だというが……?
それは、四つの国が絡み合う、新たな時代の幕開けだった――※全話の登場人物紹介は、シリーズの一部の「SKY WORLDの世界と登場人物紹介」にまとめてあります。(ネタバレ含みます・なにぶん、登場人物が多いですので振り返り用にご利用ください)
※いろいろな国の人物がいきなり登場したりする群像劇ですが、最後にはつながる仕上がりです。
※ 某有名ライトノベルと同じ作品名ですが、一切関係ありません。多少、色っぽい風味になっております。BLのつもりではなかったのですが、読者さまによってはそうなるのかもしれません。
カクヨムさんにも投稿してます。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
酸いも甘い嚙み分けた、大人にこそ読んでいただきたい作品です。まるで上質な映画を見ているような雰囲気で、あっという間に物語に引き込まれます。群像劇という主人公を限定しないストーリー展開をしていますが、読み進めるうちにひいきキャラクターが出てきますので、彼もしくは彼女を主人公として読み進めてください。最後にすべてのパズルのピースがはまったように、物語が繋がる瞬間は快感そのものです。ご都合主義はありませんので、彼らの選択を受け入れるにはやはり大人の懐の深さが必要ですが。なお作中の世界観、独自の文化、宗教、政治体制も非常によく練られています。作者様が制作された地図を見ながら作品を読むと、彼らが選択する行動の意味がよくわかることでしょう。この作品は紙のページをめくるような、重厚な小説です。お仕事のない休日、もしくは家族が寝静まった後での一気読みを推奨します。
この作品が埋もれているのには、理由がある。一つ、文字数が少々多い事。一つ、一話毎に何か劇的なエピソードが起こる訳では無い事。一つ、お子様にはこの作品の魅力が分からない事。そして最大の要因、「叙事詩」というジャンルが「小説家になろう」に無い事。「ファンタジー」でも「冒険」でもなければ「戦記」でも「恋愛」でもない。この作品を括る言葉は残念ながら「小説家になろう」には存在しない。国を、人々を、戦争を、神々を、それらを取り巻く物語を「叙事詩」と呼ぶのであれば、間違いない。「SKY WORLD」は新たなジャンル「叙事詩」である。ありとあらゆる事象が混ざりあったこの物語の筋を説明するのは、難しい。とにかく、手に取って読んで頂きたい。その瞬間、貴方は「SKY WORLD」へと足を踏み入れ、その世界の虜となるだろう。私はそれを、約束する。