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 東京の日本橋人形町にある、古ぼけた小さなビルの三階にあるのが、合同会社アルクイン拝み屋探偵事務所です。
 従業員は、所長のベネディクトさんと、私のお兄ちゃんの二人だけの、こぢんまりとした会社です。
 仕事は、祓い屋と言われる、心霊関連をあつかう業務を行っています。
 しかし、心霊関連をあつかうと言っても、事務所の中には、囲い師や結び師の使う道具も、拝み屋の神職で使う、御幣やお札と言った神具なども無いです。
 代わりと言ってはなんですが、コンクリートむき出しの事務所には不似合いの、趣味の悪い、真っ赤な来客用ソファーと、ひまわり色したロードバイクがあります。
 そんな個人事務所の祓い屋でも忙しく、人手が足りなくては、私もよく駆り出されています。
 私はまだアルバイトが出来ない年齢なので、表面上はお手伝いという名目になりますが。
 特に、引っ越しの多い春先は忙しく、ひいきにしてもらっている不動産関係からの依頼が頻発します。内容は、事故や事件のあったような部屋や、霊が出るといわれる、いわくつきの物件の浄霊がメインになります。
 経費を削減したい企業さんからすれは、実績のある囲い師の総本山よりも、実績はないけど、安いうちの会社の方が良いらしく、最近では口コミでの評価も上がってきてるみたいで、さらに忙しくなってきています。
 そこに現れた新しい従業員。
 こんな暖かくなって来たのにも関わらず、場違いの様に、ロングコートを身にまとった女の子。
 年齢も近いし、最初は嬉しかったけど、後悔先に立たずです。後々を考えると、私一人だけでも断固としても反対すべきでした。
 私は未国 静香。
 ベネディクトさんの手伝いをして、未国 蒼を義理の兄に持ち、新しい従業員と攻防を繰り広げる、十四歳の悩み多き女子中学生です。


話数:全26話

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族

時代:
舞台:
雰囲気:未登録
展開:未登録

その他要素
注意:全年齢対象