評価:★★★★☆ 3.8
小学4年生の夏、宗教民俗学者の兄、真尋(まひろ)に伴われ、雛姫(ひなき)が訪れたのは瀬戸内に浮かぶ小さな離島――
早くに両親を事故で亡くし、兄とふたり、慎ましくも平穏な日々を送っていた雛姫だったが、少女はそこで、はじめて自分の出生の秘密を知ることになる。
島を統べる、ある一族に秘められた血の掟と碑文の意味。
島の伝承とそこに祀られる神。そして神を鎮める《御座所》とは……。過酷な運命に立ち向かう、少女のひと夏の成長物語。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
耽読致しました。存分すぎる程に堪能させて頂きました。実存の神話・伝承の物語だと今この瞬間信じられる。惚けています。荒ぶる神の描写、雛姫のいじらしさとヒロ兄の想い。登場人物の心・背景の書き分けが本当に見事で全ての人物を愛してしまう。そして泣いた。終わりも大満足。じっくり読ませる。とにかく読ませる。その構成の凄さ・素晴らしい物語に感謝。ありがとうございました。