my　tale

読めば読むほど「なんか変わった作品だなぁ」との感想を抱いた。異世界トリップ物と一言では片付けられない不思議な物語。童話を絡ませた内容や人物のやりとりは面白い。個人的には読み専よりも書き手に薦めたい作品。是非、内容と文章、そして独特なテンポを感じて欲しい。良い意味での違和感を是非味わって欲しい。その違和感については作者の活動報告を読んで後から合点がいった。こじつけと言われればそうかもしれない。本作は日本語で書かれているものの英語を原語として書かれた小説の雰囲気がある、と感じる。当方はたまにペーパーバックを読むのが好きなだけで何百冊も読んでいる訳ではないがどこか会話のテンポなどそれを彷彿とさせる。是非読んで頂きたいが、誤字脱字が多めなことにはご注意願いたい。そこはご愛嬌として読み流すのを推奨させて頂く。

異世界トリップものは小説家になろうに多くありますが、この作品では異世界人と打ち解けるきっかけが、文明の利器でも現代の専門知識でもありません。だれもが知っている『童話』というのが興味を惹かれました。感情豊かなヒロインがつづる世界観は、異世界でのさまざまな弊害に傷つき、涙する姿も描かれています。そのたびに、温かなひとの心に触れて、ひたむきに前を向こうとする純粋さに心打たれました。女性向けの作品ですが、作者の日本人離れした個性的な感性が光っており、つぎつぎとページをめくる手が止まりません。早春の候、あなたの知っている童話がどんな人と人の架け橋となるのか、覗いてみませんか？