評価:★★★★☆ 4
「そこは、人が歴史を綴りだす前の地球によく似た世界だった」
東京に隕石が直撃し、気がつくと見たこともない原生林に投げ出されていた生存者たち。
やがて彼らはその身に不思議な力が宿っていることに気付き、そして、自分達以外にも過去に同様の存在がいたことを知る。
過去の来訪者たちはこの未開の地にヒトを産み出し、その発展を後押ししてきたというが――。*シリアス調、人類進化のミッシングリンクの謎をベースとしたパニックサバイバル@魔法ファンタジー風味のお話です。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:シリアス
展開:未登録
魔法に美少女、異世界転移とラノベ的な要素を踏まえながら、硬派な筆致で堅実に紡がれた物語です。ラノベに苦手意識のある私でもすんなりと物語に入っていけました。隕石の衝突をきっかけとして突如異世界へと放り出された主人公(ケースケ)たち。彼らが持てる知恵や知識、それぞれに賦与された魔法を駆使しながら生き抜いていく姿には童心に返ったように胸躍ります。化物、亜人などの謎が散りばめられた世界でこれからケースケたちがどのような運命を辿ることになるのか、ワクワクが止まりません。良質なファンタジーをお探しの方、どうぞご一読を!
微妙な文章力、お決まりの展開。そんなお気軽ストーリーに飽き気味の皆さんにお勧めしたいのがこちら。しっかりとした筆致、重厚な雰囲気と緊迫感から始まるこの作品は、ラノベの枠からちょっとはみ出した骨太な「異世界小説」です。分類としては転移系、もちろん魔法も出てきますし、ラノベ好きならクスリと笑うようなシーンもあったり。中でも、作品タイトルの「ミッシングリンク」に対する解釈、そして人類最初の男に対する作中人物の叫びがとにかく素敵すぎる!ラノベ好きな大人には堪らない、上級者向けの逸品ですな。ぜひご一読あれ。
東京に隕石が落下し、絶望に送り込まれた主人公たち。作者である圭沢様の文章で、段々と物語にのめり込みます。キャラクターも作り物ではなく、生きているなと感じました。練りに練った設定や、その心理描写に、読む勢いが増していく気がします。これからどう物語が動くのか、目が離せません。ぜひ、皆様も読まれてはどうでしょう?物語の虜になってしまう覚悟はしてくださいね?