評価:★★★★☆ 4
父子家庭の一上康一は、己を蝕む原因不明の体調不良に悩まされている。そのせいで学校生活に支障をきたし、さらには迷惑を掛ける家族に対して負い目を感じ、それでも何とか高校受験に向けて頑張ろうとしていた。
ところが、夏休みが始まったばかりの夜、自宅敷地にある古木に雷が落ちてから康一の日常が変化する。
夜ごと自分の夢に出てくる謎の人物、普段の生活に現れ始める怪しい気配。
それらが康一の生活を脅かすようになる一方で、自分以外の家族は全くその変化に気付いていないようだった。
康一はこれ以上心配かけたくないと、家族に悩みを打ち明けられない。そのため、不安と恐怖を抱きながらもその怪異の正体を探ろうとする。
話数:全34話
ジャンル:ヒューマンドラマ
時代:未登録
舞台:未登録
弟は明るくて人気者だ。それに比べ、僕は──。僕は家族に迷惑を掛けている。いつか、それは重荷に変わるのではないだろうか──。弟は優しい。だけど、僕の事を本当は──恐くて僕は弟に何も言えない。そんなある日、古木に雷が落ちた。僕は、怪奇現象に遭遇する日々が始まった。家族には相談が出来ない。もし、見放されでもしたら──。彼の名は一上康一(いちがみこういち)。中学最後の夏休み。彼は怪奇現象が起こった事に因って自分と、家族と向き合っていく。戦い抜いた先に居る、彼の姿は──。久し振りに魅せる作品と出会えました。風景も心理が丁寧で読みやすく、また、ホラーらしく怖くもある作品です。読みたいけど、怖くて先に進みたくない気持ちにもなりました。康一の成長と、家族との関係変化を最後まで見届けて欲しいなと思います。一人でも多くの方に読んで欲しい一作です。