評価:★★★★☆ 4.3
学問と芸術の都・ヴェレスの裏通りで、密かに絵画の贋作屋を営むライルは、ある日、ヴェレスきっての名門校に通う少年・ルドルフから、「火曜会」という有力なサロンの入門試験に協力するよう頼まれる。
しかし、ライルには火曜会に近付きたくない事情があった。
断ろうとしたものの、やむをえない経緯で依頼を引き受けてしまったライル。しかし、それがきっかけで、因縁の相手から次々とつけ狙われる羽目になり――。
※色覚異常に関する表現があります。抵抗のある方は閲覧にご注意ください。
話数:全26話
ジャンル:ミステリー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:R15
とても面白かったです。気にしたことはなかったのですが、自分も若干色弱なので、とても勉強になりました。漫画のギャラリーフェイクも好きでしたが、絵画に興味が出ることはなかったのですが、この作品を読んで、色々と見てみたいと思うようになりました。でも、絵画が生まれた時代の背景とかも勉強しないと駄目だと思うと、ちと難しいかも(笑)
主人公が、美術品に関する寓意を読み解くのに合わせて、ストーリーが進んでいきます。お話の中で、寓意画についてわかりやすく解説して下さっているので、楽しみながら教養を学べるのも本作の魅力の一つです。作中に、「絵は、手間暇の産物だ。それだけの労力を込めたものに、なんとなく、だとか無意味な要素など、あるはずもなかった」という一文があります。きっと、本作の執筆もそうなのでしょう。作者様は句読点のひとつ、言葉の選択ひとつにだってメッセージを込めておられるように感じます。それを読み取るのは、拝読する側の技量ですね。私の場合は、本作を読み込み、吟味するほど、込められた寓意の量と質に圧倒されてしまいました。全てを書ききるにはとてもスペースが足りませんが……例えばレビュータイトルに書いた様なメッセージ、新しい視点を私は学ばせて頂きました。素晴らしい作品と出会えたことに感謝しています。
この作品は主人公が、※※※※です。(※部分は好きに当て字してください。)主人公が、絵画を元に人の心を読みといていく作品です。最初の方で読み手の方は、きっとある秘密に気付くでしょう。出てくる相棒が、にぶちんです。(主人公も少しだけニブイです。ソコガイイと思いました。)とりあえず、ルドルフ….シメたくなります。読むほどに続きは?と聞きたくなる作品です。ギャグは有りません(たぶん。クスリとはするのです。ニヤニヤもします。)がしかし、最後はほっこりします。あっ。一人だけ腹立つ御老人がいますが読んでみてください。合言葉は「もげろ。ほにゃららです。」いい言葉です。
こんなにも素晴らしい作品であるのにも関わらず、レビューが一つもないことが不思議でなりません。まずは設定が素晴らしいですよね。世界観と人物との関係性、物語の流れ、全てが素晴らしいと言っても過言では御座いません。また、作者様が物語に自らの知識を入れていらっしゃるところも素晴らしいと思います。まだお読みになっていない方は是非1度ご覧あれ。