評価:★★★★☆ 4.1
引き篭もり歴も十年と歴戦の勇士である鷹斗は、ある日、目が覚めるとリゾートアイランドに放置されていた。そばに落ちていたリュックサックにはサバイバル用のキットと、黒い手紙が一通。
あぁ、これは、アレだ。どうせ殺し合いをさせられるんだろう?
陳腐な設定だと鷹斗が鼻で笑いながら読んでみた手紙の内容は違った。
要約するならば「頑張って一年間生き残ってね? 暴力は嫌いです」。
こうしてデスゲームではないがサバイバルゲームでもない、一年間のサバイバルライフが幕をあける。
十年間、磨きぬいてきた脂肪は時には味方に、時には敵に、鷹斗のグルコサミン&コンドロイチンを探す冒険の一年が始まったのだった。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
良くある非生産者を矯正施設に隔離したり放棄するものに近い作品ですが、珍しく日本らしい人道的な配慮が巡らされており正しく矯正しようとする意思が見られる設定。サバイバルものの中ではかなりのイージーモード。しかし、非生産的な人生を送ってきた人達にはそんなことにも気付けず様々な問題に衝突します。非生産者になるまでそれぞれに様々な人生を送ってきた島民達がどのように生きて死んでいくのか先が待ち遠しくなります。文章は基本的に軽く明るい調子で言葉遊びをする主人公の思考で展開されます。シリアスで辛い話題と主人公の語りによる明るい雰囲気、キャラ達の闇が見え隠れしながらも普通に生活している状況など様々なギャップが織りなす独特な世界観を持った作品です。一度引き込まれると癖になる独特な世界観をもつ先生の作品をどうぞお楽しみください!